武器使用が可能になった中国公船に、26時間追い掛け回された石垣島“漁師”の怒り

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26時間追尾

 15日は、夜になっても海警は鶴丸の追尾をやめなかった。

「ずっと監視されているので、1、2時間しか眠れなかったですね。これまで何度も尖閣周辺で漁をしてきましたが、大きな汽笛で脅かされたり、夜はサーチライトを照らされたり……。2010年には、海警の乗組員がボートに乗ってこちらにやって来るかもしれないと、巡視船に警告されたこともありました。それで私が『来るなら歓迎します。ボートが来たら、間違いなくぶつけてやります』と言いました。結局、ボートは来ませんでしたけどね」

 翌16日の午前11時、漁を終えた鶴丸は石垣島へ向かった。2隻の海警には、午後2時45分まで追尾されたという。追尾時間は計26時間にも及んだ。

「2012年には、48時間追尾されたこともあります。この時日本政府に海警を取り締まるよう要請したのですが、何もやってくれなかった。海警法が施行されて武器使用ができるようになったら、日本の漁民は恐がって尖閣周辺に行かなくなるのではないか。そうなれば中国の思うつぼです」

 仲間氏は、2012年に「株式会社尖閣」(社長は高江洲氏)を仲間と設立。尖閣周辺で獲れた魚をブランド化する取組を進めている。

「今回の漁での、水揚げは50キロでした。尖閣周辺で獲れた魚をブランド化して登録商標すれば、高く売れると思っています。そうなれば、多くの漁民が尖閣諸島に行くのではないでしょうか」(同)

デイリー新潮取材班

2021年2月26日掲載

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