コロナ禍で「不動産バブル」は本当か 業界通が解説する“偽らざる実態”

ビジネス 2021年2月24日掲載

  • ブックマーク

結局、いまは買い時なのか?

 それでは、いま『マンション』は、そして『戸建て』は買い時なのか?

 既述の通り、筆者は建築費が今後も継続的に値上がりすると見立てており、そのため、マンションはいまが「買い時」だと考える。

 実際この10年で、建築原価は約1・5倍ほど上昇している。現在一部のゼネコンにおいて、安値受注をしているケースも散見されるが、それはゼネコンが利益を削っているだけで、建築原価が下がっているわけではない。オリンピックを見据えた建築ラッシュが落ち着き、受注量の減少を一時的に安値受注で補っているだけで、この状況も長続きはしないだろう。今年よりも来年、来年よりも再来年と、建築原価がアップすることはおそらく間違いない。

 もしマンションを購入する意思があるのなら、先延ばしにする理由はない。今が「買い」と言っていいだろう。とりわけ、地方の好立地マンションはその傾向が強い。

 東京や大阪を中心とした大都市圏や、京都のような「セカンドハウス」ニーズが強いエリアは別として、地方のマンション供給はより建築原価に左右される。とはいえ、購入希望者の“購入余力”に限界があるため、あまりに高額な物件を建てても完売できない。その結果、マンション建設自体に歯止めがかかり、供給数が減少する可能性が高い。

 ここ数年、マンションデベロッパーの地方進出が目につくが、これは都心のマンション供給数だけでは売上げを立てられないデべロッパー側の要因も大きい。したがって、現在は一時的に、地方のマンション供給戸数が増加しているものの、今後の建築原価のアップを鑑みれば、地方におけるマンション供給は、徐々に減少傾向に転じると想定できる。

 他方、『戸建て』は建築原価高の影響を受けづらいため、じっくり検討しても良いかもしれない。

 不動産購入は「人生で最も大きな買い物」と呼ばれる。同時に、ライフイベント(結婚・出産・転職・子供の独立等)によっても購入のタイミングが大きく左右される。不動産購入に関して、筆者は「買いたい時が買い時」と考えている。その上で、こうした“現場の声”を参考にして頂ければ幸いである。

山中琢人(やまなか・たくと)
2002年に早稲田大学卒業後、マンションデベロッパーとゼネコンの双方に勤務。12年より京都在住。

デイリー新潮取材班編集

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]