“微罪”で続けて2度逮捕された埼玉在住「20代男」にマスコミが注目するワケ

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捜査に違法性はないのか

「別件逮捕」という言葉も思い浮かぶが、元東京地検特捜部副部長の若狭勝氏は否定する。

「若干行き過ぎのように思えなくもないですが、いわゆる違法性のある『別件逮捕』にはあたらないと思います。別件逮捕とは、起訴される容疑もないのに逮捕して、別の事件での立件を狙うという手法を言います。ちょっと警察官に足が触れただけで『公務執行妨害』で逮捕して、殺人罪での立件を狙うみたいな話が『別件逮捕』。今回は条例違反の証拠を掴んだうえで逮捕し、さらに『消防法違反』としてちゃんと起訴されているので、それにはあたりません。逮捕状を発行する裁判所も、警察が本当は別の事件を狙っているなどの事情を判断材料に加えることはありません」

 2カ月間、起訴後勾留された点についても、

「どうして硫黄を持っていたかについて、男が明確な供述をしなかったなどの理由で、保釈が認められずに、起訴後勾留されることはあり得る話です。2カ月間という期間も、起訴後勾留すると自動的につくものですので違和感がありません。勾留を認めた裁判官も、『消防法違反』の捜査状況だけを見て判断したものだと思われます」(同)

 ただしこの間、両県警によって、彼らが関心を持つ「別の事件」に対する聴取は行われていた可能性はあるという。

「メインでそれを聴くと問題がありますので、逮捕した容疑について聴きながら、遠回しに聴いていたのでしょう。ここまで捜査を継続してきた理由として、男が何らかの関与を語っている可能性はあります。いよいよ茨城県警に場所を移し、本格的に聴取していこうという狙いがあるのかもしれません」(同)

 果たして、事件はさらに動いていくのか――。今後の捜査に注目していきたい。

デイリー新潮取材班

2021年2月22日掲載

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