衆院「北海道補選」で野党が警戒する「ニトリ会長」 過去に知事選を動かした実績

国内 政治 週刊新潮 2021年2月4日号掲載

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 吉川貴盛元農林水産相の議員辞職を受け、4月25日に投開票が行われることになった衆院北海道2区の補欠選挙。1月15日には、菅義偉総理が“候補擁立見送り”を表明、自民党の不戦敗が確定した。

「吉川氏は同日、東京地検特捜部に収賄で在宅起訴され、補選で自民に勝ち目はナシ。地元では比例北海道ブロックの鈴木貴子衆院議員を出馬させる案なども出たといいますが、官邸主導で不戦敗が決まりました。立憲民主党の羽田雄一郎氏の弔い選挙となる長野県の参院補選も自民は敗色濃厚で、政権の求心力低下を避けたかったというわけです」(政治部記者)

 ところが、野党にも、諸手を挙げては喜べない事情があるのだそう。

「現在、立民は松木謙公元衆院議員を、共産党は平岡大介元札幌市議をそれぞれ擁立する予定。野党共闘の流れもありましたが、自民が降り、共通の敵がいなくなったことで雲行きが怪しくなってしまった。松木氏はかつて維新の党から出馬し、リベラルの反感を買った過去もあり、仮に松木氏で一本化しても、共闘が大きなうねりに発展するかどうか」(同)

 さらに気掛かりなのは、ある人物の動向だという。

「『ニトリ』の似鳥昭雄会長(76)ですよ。似鳥さんは樺太生まれ札幌育ちで、ニトリの本社は今も札幌市。北海道2区の選挙区内には似鳥さんが所有する豪邸もあるんです」(地元関係者)

 地元出身とはいえ、一介の家具チェーン会長にどれほどの影響力があるのか。

「似鳥さんの保守人脈は有名で、安倍晋三前総理との会食やゴルフはたびたび永田町を賑わせてきました。さらに自民党の二階俊博幹事長とも昵懇で、派閥の研修会に講師として招かれたこともある。菅氏も総理に就任した直後に似鳥さんを訪ねています」(同)

 自民党が候補者擁立を見送ったのはすでに触れたとおりだが、

「菅総理ら自民党幹部とも通じている日本維新の会の鈴木宗男参院議員は、独自に保守系候補を立てると息巻いています。これに似鳥さんが共鳴すれば、野党の勝利も風前の灯火となる。実際、2019年の北海道知事選では、当時官房長官だった菅総理の主導で出馬した前夕張市長の鈴木直道氏の後援会長に似鳥さんが就任。鈴木氏の圧勝を後押しした実績もあります」(同)