女性記者との不倫がバレた埼玉県警警視 県警が昨春までの所属部署を隠したい理由

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ノンキャリの出世頭だった男性警視

 一方、男側の評判は真逆だ。埼玉県警関係者は呆れて言う。

「あの人ならば、さもありなんですよ。彼は10年くらい前に広報課にもいたので、当時から記者との付き合いは盛んだった。飲み食いさせたらベラベラ喋ると、記者たちは重宝していたようです」

 特に女性記者とはベッタリだったそうで、

「セクハラまがいのことをされたという記者たちの噂をよく耳にしました。容姿は小太りで禿げたオッサン。蓼食う虫も好き好きと言うから断定はできないが、恋愛関係だったとは思えませんね」(同)

 彼は刑事総務課長という県警の要職を務める幹部であった。刑事部の中でも総務課長は筆頭扱いであり、ノンキャリアの出世頭と言っていいポジションである。だが、実はそれより注目すべきは彼の前部署だという。

「彼は去年の3月まで監察官室で監察官をやっていたのです。つまり、ついこの間まで一緒に働いていた同僚たちに調査を受けたというわけ。おそらく写真などの動かぬ事実を突きつけられ、認めざるを得なくなったのでしょう」(同)

警察組織は不倫に厳しい

 監察官室は、捜査情報の漏洩や捜査費の流用など、警察官の不祥事を調べる部署である。調査対象には不倫も含まれる。

「警察というのは信頼性を重んじる組織なので、不倫にうるさいのです。警察官同士の不倫も事実認定されれば、『戒告』などの処分が下され、大抵の場合、自分から辞めざるを得なくなります。今回の場合、相手が捜査情報を欲しがる記者だったことを考えると、より重い処分になる可能性もあります」(同)

 すでに退職願を提出しているとのことなので、本人も自分のしでかしたことの重みは理解しているのだろう。埼玉県警に取材を申し込んだが、

「広報している案件ではないので、取材にはお答えできません」

 との回答だった。

女性記者の仕事とは……

 一方、共同通信は次のように回答した。

「一般職員の異動や配属先についてはお答えできません。職員の出勤状況についてはお答えできません。調査の有無も同様です」

 取材する側である記者が情報源である警察幹部と不倫関係にあったと指摘を受けたことについての見解も聞いたが、

「個別の取材プロセスについてはお答えできません」

 と言うのみ。

 騒動を受けて、警察への取材経験が豊富な女性記者はこう語る。

「警察官はほとんど男性なので、誘われたり、好意を抱かれたり、女性記者はみんな苦労しています。スクープを取ってきても、“それ、枕だろ”って言われて悔しい思いをしたことは何度もあります。ただ、もし本当に彼女が一線を越えてしまったのならば、記者倫理に触れる行為だったと思います。ネタを取りたい気持ちはわかりますが、“対価”を与えて得た情報は疑わしいと考えるべきです。しかも、結果的に情報源を傷つけ、失うことになってしまったのですから」

週刊新潮WEB取材班

2021年1月22日掲載

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