妻の居ぬ間に、女性を自宅に招いたら… “不倫の掟”を破った43歳男性が語る修羅場

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女性を自宅に引き込み、家を追い出されて

 かつて、既婚男性の不倫の恋の掟として「一緒に写真は撮らない」「旅行はしない」「自宅には入れない」などが存在した。それがいつのまにか、なし崩しになり、スマホで撮った写真を共有し、旅行をし、あげく自宅にまで引き入れる男性が増えている。ルールなどなくなってしまったのが昨今の不倫だ。不倫も恋愛のひとつとしてハードルが低くなったのか、危機管理がなってないのか、あるいは結婚に価値を見いだせなくなっているのか、他に理由があるのかはわからない。

「妻と子どもたちが妻の実家に行っているから、絶対に帰ってこないと思ったんですよね」

 うつむきながらそう話してくれたのは、ショウジさん(仮名=以下同・43歳)だ。30歳のとき、友だちの紹介で知りあい、つきあっていたシズカさんと結婚した。3年後に長女が誕生、その4年後に次女が誕生した。

「女3人に囲まれて、いい家庭だったと思います。シズカはちょっと口うるさいところはあったけど、何より明るいところがよかった。娘たちも、とにかく明るくて元気に育ちました」

 そんな幸せな家庭があったのに、3年前、魔が差した。まさに「魔が差した」としか言いようのない時期だったとショウジさんは振り返る。

「40歳になるころ、入社したころから、かわいがってくれた上司が急逝したんです。生まれて初めて僕を評価してくれた人だった。というのも、僕は兄と姉のいる末っ子なんですが、この兄と姉がふたりとも、ものすごく優秀でして。小さいころから勉強もスポーツもできた。僕はどっちも苦手で、さらに引っ込み思案で。兄と姉が国立大学を卒業したのに、僕は私立にやっとひっかかって、あまり知られていない会社に就職した。いつでも『生きるってつらいなあ』と自信がなかったんですが、その上司に出会って変わったんです。できてもできなくても、自分で目標を立ててがんばっていこうと思えたのは、上司がいたから。だけど彼はあっけなくいなくなってしまった」

 仕事への意欲が極端に低下し、彼は心療内科に通うようになった。心配させたくないと家族には内緒だった。そんなとき、声をかけてくれたのが社内のミエコさんだった。

「彼女は庶務課にいるんですが、医療費のことがあって心療内科に通っていることが気になったと。何かできることがあったら人事につなぐこともできますからと、こっそり言ってくれたんです。小さい会社ですから気にかけてくれたんでしょう」

 それを機にショウジさんはミエコさんにすべてを話してしまった。誰かに話したかったのだ、苦しい胸のうちを。それを受け止めてくれたのがミエコさんだった。彼女は3歳年下でバツイチ。子どもはいなかった。

 自分をわかってくれると思ったとき、人はあっという間に相手に心を開く。ましてつらい思いを抱えていたショウジさんにとって、ミエコさんは救ってくれる女神のように見えたらしい。

「心細かったせいでしょうか、一気に彼女に依存していったんです。彼女も離婚したばかりで寂しかったのかな、1ヶ月もたたないうちに関係ができて……」

 自分に妻子がいるという意識はもちろんあった。彼女にそのことも話した。だが彼女は、「私はもう二度と結婚するつもりはないし、あなたを苦しめたくはないの」と言ってくれた。だから信用したのだという。

「彼女と出会って変わった」

 最初のうちは誰にも見られないよう、会う場所に気を遣った。食事などはせずホテルに直行し、先に入った部屋番号を彼女に伝えてもらったりもした。彼女が母親とふたりで暮らしていたため、彼女の自宅は使えず、ホテルがふたりだけの居場所となった。だが、会えば会うほど好きになる。好きになれば、ふたりでレストランへ行ったりもしたくなる。

「彼女とつきあうようになってから、だんだん精神的にも立ち直っていきました。彼女は亡くなった上司のことも知っていたから、思い出話にもつきあってくれて……。恥ずかしながら、同じ会社なので彼女は僕の収入もわかっている。金銭的なことも気遣ってくれて、ときどき素敵なレストランでごちそうしてくれることもありました。まさに理想的な女性だった」

 週末は連絡しないのをルールにしていたので、ショウジさんはそれまでと変わらない生活を送ることができた。むしろ、妻や子どもと一緒にいると、家庭は大事だと改めて感じるようになったという。

 一方、彼女との濃密な時間は、彼に癒やしとやる気の両方をもたらしてくれた。

「彼女との相性も、実は僕には大きかった。妻とは没交渉が続いていたんです。もともと妻はあまりそういうことが好きじゃないタイプでした。僕もしなければしないでいいやと思っていた。だけどミエコと出会って変わったんです。体での会話は、言葉より重いんじゃないかと思うほど。これほど重要なコミュニケーションだと教えてくれたのはミエコでした。快楽が先か愛情が先か、わからないけど会えば会うほど発見があって、どんどん快楽が深くなるんです。自分の体と彼女の体の区別がつかなくなっていく。そういう経験をしたのは初めてでした」

 心身ともに相性がよかったのだろう。彼は、家庭とは別に、彼女との関係をできる限り続けていこうと心に決めた。

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