「桃井かおり」が語り尽くす LAの「ロックダウン生活」と「俳優の自死」

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「私は試されている」

 春、LAに戻る前、半分以上撮り終えていた仕事がパアになりました。これは大変なことだぞと思いました。でも、コロナが収束したとしても、私、前のように仕事したりはしないだろうって気もする。

 今年の映画の撮影は監督作品なのでそれは絶対にやりますけど、仕事が止まってみると、年齢も年齢だし、ちょうどいい時に止めてくれたなって感じすらするんです。私の周りを見ると、85歳くらいで亡くなる方がほとんど。そしたら私、あと20年もないかもって。やりたいことを順番にやらなくちゃって思った。だから、全て落ち着いたら、2人で世界中を旅行しようって旦那さんと話しています。コロナで仕事を止められたことが、これからの人生を考える本当にいい経験にはなりました。

 結局コロナって、誰かのせいって訳じゃないでしょう。だからポジティブに捉えないといけないと思ってるんです。神様って本当にいるのかは分からないけど、私は試されているなって思うようにしてます。

 ジムも行けなくなったから家でトレーニングしてみたり。映画に関するインタビューも、今は英語で準備してるんです。こんな暇な時だからこそ、次の作品の想定質問の英語バージョンを作っておこうって。今までそういう用心深さはなかったんですけどね。こっちに来て初めて、まじめに英語の勉強してるかもしれない(笑)。

 海外で暮らすって、基本孤独なんですよ。外国人としてやっていかないといけないから、孤独慣れというか。そういう意味では、私たちはずっと困難な暮らしと戦ってきたから、問題の対処には慣れているのかもしれません。もう老後の覚悟もできました(笑)

 老後は楽しくなりそう。パンデミックだって、悪いことばかりじゃないことを祈る!

週刊新潮WEB取材班

2021年1月14日掲載

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