「桃井かおり」が語り尽くす LAの「ロックダウン生活」と「俳優の自死」

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

Advertisement

「シェアは絶対しない」

 3月に入ったころかな。日本からLAに戻って、着いて2週間は自主的に籠っていたんです。そうこうしているうちに、自粛どころかもう外出制限になっちゃって、今に至ります。

 買い物は通常、お店が午前10時にオープンなんですが、65歳以上は午前8時から行けました。だから買い物はできたけど、手袋や消毒スプレーしながらでも怖いし、行くのがつらくなっちゃって。そうしたらついに1週間くらい前に「65歳を過ぎている人は買い物も行かないように」って言われてしまいました。

 今はデリバリーも発達しているから、お店に電話をかければ配達してくれます。それでまかなえるといえばまかなえるんですけど……。買い物する楽しみがなくなった。

 最後の外食はサンクスギビング(編集部註:11月26日の感謝祭)のお呼ばれだったんだけど、2家族以上は集まってはいけないというルールでした。それも、みんなPCR検査を受けてから集まってた。

 お庭で距離を置いて、キャンプファイヤーみたいにたいまつを焚いて、持ち寄るお料理も、私はお寿司やお稲荷さんなんかを持って行ったんだけど全部ラップに包んで。今までみたいに手やトングで取ることはしないですよ。シェアは絶対しない。家の人がみんなの分を切り分けてターキー食べたりね。

YOSHIKIや氷室京介とも会えず

 コロナ前は週に2、3回は外食したり誰かのお家にお呼ばれしていたけど、3月からLAに戻ってきて、レストランに行ったのは3回くらいしかない。

 お宅に行ったのも、毎年クリスマスとサンクスギビングを一緒に過ごす映画仲間のお家だけ。うちには誰も来てません。もちろん、氷室京介さん(60)や、YOSHIKIさん(55)も。

 YOSHIKIさんは家でご飯を作らず、出前ばかりと言うからちょっと気になって。うちで一緒にご飯を食べましょうかって話もあったんですけど、今はもう家族以外との食事がダメになっちゃったんで。終わったら会おうねって、この前ちょうど話したところです。

 パンデミックになってから、1日中映画を観るだけの引きこもり的な日もあったんだけど、全然楽しくない。私、このまま引きこもりになることもできちゃうんだって……。これは危ないと思いました。

 だからせめて食べることについては自分でどうにかしようと、外食のように本気で料理しています。庭には畑を作って、ネギやミョウガに三つ葉、シソとかの薬味を栽培して……。そうやって、自分で自分を支える日常を作っていくしかない。正直、コロナ禍で自殺が増えるのも分かります。

次ページ:「俳優を辞めたら生きていけない」

前へ 1 2 3 4 次へ

[2/4ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。