「噛み合わせ」のズレが歯周病、認知症の原因に 自宅でできるセルフ「骨格矯正」とは

ドクター新潮 健康 整体

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歯周病の原因に

 さらに怖いのは、歯周病の原因になることです。噛み合わせが狂って、左右どちらかの奥歯が強く当たるようになると、力が強くかかった側の歯茎に圧力がかかり、そこにストレスが生じます。こうなると歯周病になりやすいのです。歯周病の最大の原因は、歯茎の汚れ。まさに噛み合わせの悪さが直接、歯周病を引き起こすのです。

 歯周病に罹患して細菌が増殖すると、それが脳に届けばアルツハイマー型認知症の原因になり、肺に入れば誤嚥性肺炎を引き起こしやすくなります。このように、大きなリスクにつながる歯周病の大きな原因である以上、噛み合わせを軽く見てはいけません。

 ですから、噛み合わせはぜひとも改善したいのですが、問題もあります。

 その一例ですが、奥歯の当たりがキツい状態を歯科医で調整してもらうと、奥歯を削られてしまうことが多いのが実情です。しかし、言うまでもないですが、歯を削らずにすんだほうがいいに決まっています。

 その点、悲観する必要はありません。自宅で、自分一人で調整して、狂った奥歯の噛み合わせを直すことができるのです。

 セルフ矯正の手順を説明する前に、ご自分の噛み合わせがズレているのかどうか、確認する方法を伝えましょう。

 まず、普通に口を開けてみて、それから閉じてください。このとき、あごの筋肉(咬筋)がこっている人は、どうしても食いしばってしまうため、口を閉じたときに歯と歯がぴったりと合います。しかし、本当は歯と歯の間に、2~3ミリ程度のすき間が空いているほうがいいのです。

 A.そこで、歯と歯の間を2~3ミリ離してください。そこから舌先をわずかに出すというイメージです。普段から歯と歯がこうなるように心がけましょう。こうしているかぎり食いしばることはありません。

 これがうまくできない人には、日中にマウスピースをつけることをお勧めします。食いしばりや歯ぎしりを防ぐためのマウスピースは市販されています。これを装着していると、歯と歯の間に空間ができて、咬筋がこりません。

 眠りにつくと体温が下がるため、就寝中は食いしばりや歯ぎしりをしてしまいがちです。それを防ぐために、あごがゆるんだ状態で寝るのが理想です。その際、必要なのが、歯と歯の間の空間で、それを自然に作れない場合は、日中のマウスピースが有効です。

 このようにして毎晩、あごがこった状態で就寝しないように心がけてください。まずは、それを生活習慣に取り入れるところから始めましょう。

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