身の毛もよだつ写真に絶句……浪費と浮気の果てに夫に子供を連れ去られた妻の後悔
連れ去り 我が子に会えない親たちの告白3
ある日突然、妻や夫が子供を連れて家を出てしまう。その日から“制度の壁”が立ちはだかり、我が子に会えなくなる。日本で横行している「連れ去り」の“被害者”は夫ばかりではない。今回は、子供たちを連れて家を出ようとしたものの、夫に見つかってしまい、逆に子供たちを連れ去られてしまった妻の話を紹介する。
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中指を立てた写真
異様な子供の様子を収めたアルバムがある。
上から順に、小学6年生の女児、5年生の男児、3年生の女児。彼らの3年間に及ぶ成長の記録だ。アルバムの中には“笑顔”がない。そればかりか、そっぽを向いたり、後ろ姿だったり、顔が見切れたりする写真ばかり目立つのだ。ページをめくっていくと衝撃的な写真に行きつく。
長男が中指を突き立てて挑発的な目で睨みつけている。隣に立つ次女とともに手に持っているのは、幼い筆致で文字が書かれたメモ用紙だ。目を凝らして文面を確かめると、思わず身の毛がよだつ。
〈死ねくそばばあ しね〉
〈くそあほバー〉
これらの写真は、3人の子供を連れ去った夫が妻に送ってきたものだ。つまり、この恐ろしいメッセージは、幼い子らが実の母親に向けて送ったものなのである。
妻は家庭裁判所に子供たちとの面会交流を求めたが認められなかった。代わりに家裁が提案したのが、月に1度、妻が子供らに手紙を送り、夫が子供らの写真を妻に送るという「間接交流」だった。家裁が「子の福祉」を優先して考え、斡旋した結果が、この写真だというのである。
写真を送られた山中亜希子(30代・仮名)が語る。彼女は3年以上子供に会えていない連れ去り”被害者”だ。
「中指の写真を見た時はショックで思わず仰け反りました。久しぶりに子供たちと“逢える”と、ときめきながら封を開き、出てきたのがこの写真だったので……。悲しみの後、湧いたのが、憤りと不安でした。あの子たちが自発的にこんなメッセージを書くわけがありません。どうしてこんな残酷なことを子供たちにさせるのだろうか。子供たちが心配でなりませんでした」
できちゃった婚で入籍
亜希子が夫の龍太(30代・仮名)と出会ったのは、15年前に遡る。関東地方の地方都市で生まれ育った彼女は、地元の高校を卒業後、大手住宅設備機器メーカーに勤務していた。
「夫とは、地元の先輩の紹介で知り合いました。しばらくは友達としてグループ交際していましたが、4年ほど経った頃、男女として付き合うように。私は優柔不断なタイプなんですが、グイグイ引っ張ってくれる彼に惹かれました」
交際から1年ほどで、妊娠が判明。2007年12月に、新居も定まらないまま新婚生活がスタートした。
「当時は、帰宅が深夜にさしかかるほど仕事が忙しかったので、ちゃんとデートしたことは数えるくらいしかありませんでした。一緒に住んだこともなかったので、よく彼のことを知らないまま結婚してしまったのです。入籍して2ヶ月後に同居するようになって、すぐに彼の問題点に気づきました。まず、ひどかったのは金遣いの荒さでした」
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