身の毛もよだつ写真に絶句……浪費と浮気の果てに夫に子供を連れ去られた妻の後悔

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破り捨てられた手作りの手紙

 この間、平行して行っていた面会交流調停では、18年5月に、手紙や写真を送り合う「間接交流」で暫定的に合意した。
 毎月1度、亜希子が手紙を書いて送り、夫も子供たちの写真を送るという取り決めだ。だが、冒頭で紹介した通り、送られてきた写真は、母を拒み、憎むような仕草をばかりした子供たちの姿だった。

「こういう写真を送りつけられることで私がショックを受けるのを狙った、夫の嫌がらせなのでしょう。送られてきた写真の中には、私が送った手作りの手紙を子供たちが手で引き裂いたり、ハサミで切り刻んでいる様子が写ったものもあります」

 このような行為をさせていることが、「子供の福祉」に反しているのは言うまでもあるまい。亜希子は昨年、2回目の面会交流調停を申し立てた際に、この写真についても訴えたが、

「逆に裁判所は、このような間接交流は良くないといって、写真を2ヶ月に1回に減らしてしまったのです。明らかな『片親疎外』が起きているのですから、すぐにでも面会交流を行い、母子関係を修復すべきでしょう。日本の家庭裁判所は目が曇っているとしか言いようがありません」

連れ去りは残酷な行為です

 子供らと会えなくなって3年以上になるが、いまも彼女は毎月、欠かさず子供たちへ手紙を書き続けている。離婚はできない。なぜなら、離婚後は単独親権制度となっている日本では、離婚と同時に親権も失ってしまい、法廷闘争で不利な立場に立たされてしまうからだ。

 いま亜希子は再度、面会交流調停を申し立てる準備に入っている。また昨年から今年にかけて、同じような連れ去り被害に遭っている父母らとともに、国の不作為を問う国家賠償請求訴訟を2件起こした。

「絶望的な状況ではありますが、ここであきらめてしまえば子供たちとのつながりが切れてしまう。あの子たちのためにも、やれることは全てやろうと思います。おそらく子供たちは、夫から相当なことを吹き込まれ続けているでしょうから、私を憎んでいるかもしれません。でも、彼らは何があっても私にとって大切な子供たちです」

 亜希子が返す返すも後悔するのは、用意周到に「連れ去り」を決行しなかったことである。

「子供を第一に考え過ぎた結果、こうなってしまいました。子供たちには夫婦の争いに巻き込んでしまい、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。ただ誓って言えるのは、もし私の連れ去りが成功していたとしても、子供たちを夫や義母に自由に会わせていたと思います」

 なぜなら、と亜希子は言葉を継ぐ。

「私にとって最悪な夫ではありましたが、彼らにとっては父親に違いないからです。私がいま、身をもって経験していますが、子供と親を引き裂く連れ去りは本当に残酷なことです。人間である限り、夫婦の仲が壊れることはいつ何時でも起こりえる。このような悲劇が起きない社会になってほしいと切に願っています」

週刊新潮WEB取材班

2020年12月18日掲載

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