ロシアで「オウム指導者」が逮捕、有罪に テロ組織認定も活動は活発

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 久方ぶりに飛び込んできた「オウム真理教」のニュースは、ロシアからだった。

 11月26日、ロシア南部の裁判所で、40代のオウム信者の男が禁錮15年の刑を宣告されたのだ。

「容疑は、オウムの下部組織を作り布教活動を行ったというもの。2012年から16年まで、日本円で1億2千万円ものお布施を、オウムの後継団体『Aleph』などに送金していたことも発覚した」(全国紙記者)

 ロシアは、1992年、オウムがモスクワに支部を置いた重要拠点。かつては3万人もの信者がいたというが、95年には宗教法人登録抹消。16年にテロ組織と認定され、活動が禁止されるに至った。

 国際問題研究家の瀧澤一郎氏によれば、

「94年に入信したこの男は、10年ほど前に下部組織を創設し、モスクワやサンクトペテルブルクなどに拠点を作っていました。禁教となった後は、支部間の連絡に盗聴をおそれて電話やメールを使わず、入信希望者にはウソ発見器まで使っていたといいます」

 まるで過激派。しかし、

「18年5月、信者に紛れていた女性捜査官によって説教中にあえなくお縄に。逮捕時に押収されたお布施の帳簿には2799人もの名前があったそうです」

 オウム残党は先鋭化していたといい、先の記者も、

「16年以降は“麻原彰晃原理主義”のようになり、元ロシア支部長の上祐史浩氏や他の日本人幹部とも没交渉になっていたとか」

 恐ろしきオウムの生命力。

週刊新潮 2020年12月10日号掲載

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