「文在寅は朴槿恵より無能で不道徳で最悪」 ソウル大学生から「文おろし」が始まった

国際 韓国・北朝鮮

  • ブックマーク

Advertisement

慰安婦支援団体の隠された「意図」

 風刺文に記載されたように、2015年12月の日韓慰安婦合意では、生存している慰安婦被害者47人のうち37人が1億ウォンずつ受領できることになっていた。

 しかし、当時野党だった共に民主党と慰安婦支援団体の正義記憶連帯(正義連)、そして当時、正義連の理事長だった尹美香・現与党国会議員は強く反発、「補償より日本の謝罪が先だ」「1億ウォンを受領してはならない」と主張したのだった。

 検察の捜査を待たねばならないが、慰安婦被害者が1人1億ウォンを受け取って解決すると、以後、慰安婦支援団体は寄付金を受けられなくなり、生存すら脅かされる――。などといった意図が見え隠れするのだ。

 一方、いわゆる「崔順実ゲート」で国民は、崔順実の娘の鄭ユラ氏が大統領の助力で名門「梨花女子大学校」に不正に入学したという疑惑に憤った。

 崔順実被告が大統領と親交があることを知った梨花女子大学の関係者が大学側に便宜を図ってもらうべく、不当な依頼を受け入れた犯罪行為と指弾された。

 しかし実際には、鄭ユラ氏はアジア大会の乗馬種目で金メダルを獲得。それは、梨花女子大学以外の名門大学にも入学できるレベルの記録だ。

 ところが、今年5月、慰安婦被害者が「正義連と尹美香に30年間利用された」と暴露し、「正義連・尹美香寄付金の流用事件」が露呈した。

 検察は尹美香氏が慰安婦被害者たちのために市民が寄付した金銭を着服し、流用した容疑などで起訴。

 多くの人たちが日韓慰安婦合意当時、「慰安婦のおばあさんたちに金を渡すな」と言った彼らの「意図」に気付きはじめた。

金メダリストではなく大統領最側近の子

 他方、剥けば剥くほど疑惑が露出する「タマネギ男」こと曺国(チョ・グク)前法務部長官は、息子や娘の大学入試を有利にするための表彰状を偽造し、不正なインターンシップをさせた疑惑が持たれている。

 彼らはアジア大会の金メダリストなどではなく、文在寅大統領の最側近の子に過ぎない。

 難関のソウル大学に入学し、卒業した人たちでなくとも、「請託」より深刻な「偽造」で大学に入学した疑惑がある曺国(チョ・グク)の子どもたちに、激しい憤りを覚えるのは当然だろう。

 書き込みを行った当のソウル大の学生は、慰安婦寄付金の着服と側近の不正入試疑惑に加え、文大統領の職権乱用や無能な経済政策、側近政治家の性的暴行・セクハラスキャンダル、国民分裂、不当人事など、文在寅政権が前政府より深刻である数々の事例を取り上げている。

 韓国では、これまでソウル大の学生が政府に怒りをぶつけて集団行動を取ると、不正が露見して政権が転覆、大統領が有罪判決を受けて刑務所に入る例が繰り返されてきた。

 ソウル大の学生達は、朴槿恵前大統領の弾劾集会にも参加した。

 1980年代の独裁政権時、独裁打倒を叫んで学生運動を行い、警察に連行されて拷問で死亡した犠牲者もソウル大の学生だったが、それが全国民の怒りに火をつけ、大統領は退任に追い込まれた。

 浅い経験と知識で国民を扇動し、自分勝手で無能な政策で収拾がつかなくなり、一方で自分たちは少なからぬ財産を蓄積している文在寅大統領と高位官僚。

 世界に類を見ない超学歴社会の中、自らの努力(だけではないが)で公正な競争に勝ち進んできたソウル大学生。

 彼らの目には、学生時代に民主化運動と称して勉学を怠って日常的にデモに参加し、反米・反日を叫んで、社会主義思想に心酔、現在は税金で豊かさを願う大統領と与党の面々は滑稽に映るだろう。

 文在寅大統領は最近、日本に対話を求めている。

 もっとも、懲役20年を言い渡された犯罪者より不道徳で無能という酷評を自国のエリート予備軍から突きつけられていることを、自覚すべきではないのか。

田裕哲(チョン・ユチョル)
日韓関係、韓国政治担当ライター

週刊新潮WEB取材班編集

2020年12月3日掲載

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。