韓国滞在中の「日本人未成年女性」が強姦の被害に 唖然とするしかない韓国の反応

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韓国人が強姦被害に遭えば「反日感情」を高めることに利用するが…

 日本でも話題になったが、2017年7月、福岡を観光で訪れた韓国人女性が、宿泊していた民宿の経営者に強姦されるという事件があった。

 当時、福岡県警警は34歳の男性を容疑者として逮捕、被害者の韓国人女性は宿泊していた客室で容疑者と一緒に酒を飲んだ翌日、強姦されたと警察に通報したことが分かった。

 しかし、男性は警察の調べで「(女性に)触ったのは事実だが、強姦はしていない」と容疑を否認。

 韓国メディアはこの事件を報道し、韓国の有力放送局MBCは時事ニュースで取り上げ、取り調べが進行中の容疑者の経歴や詳細を掘り起こしながら、「日本旅行には気をつけるべきだ」と警鐘を鳴らした。

 さらには、韓国外交部も「福岡地域を観光する韓国国民が民宿で隠しカメラ、性的暴行など好ましくない被害に遭う事件が発生しており、格別の注意が求められる」とホームページで紹介。

 容疑者男性ただ1人の個人的な不法容疑にもかかわらず、メディアだけでなく政府機関までもが、日本観光の不安と警戒心を煽り、ひいては反日感情を高める契機にもなった。

 しかし、昨年8月に発生した「事件」がきっかけとなって、韓国でこれ以上そのことが取り上げられることはなくなった。

 日本政府が韓国をホワイト国リストから除外をすることを決め、韓国内の反日感情が頂点に達した時期、東京の新大久保で韓国人男性が日本人女性を強姦した容疑で逮捕される事件が発生。日本と韓国双方で取り上げられた。

 この男性は「1対1でどうか」と女性を誘ったが断られ、彼女の腕を掴んで自宅に連れて行き、強姦したことが明らかになった。

 日本メディアが、容疑者である韓国人男性の顔を公開して大々的に報道すると、韓国メディアを中心に批判の声が相次いだ。

「日韓関係が冷却しているなか、容疑者が韓国人という理由から、意図的に韓国に対する反感を生み出そうとした」という論調である。

もし女性の人権保護を切に望むのなら、被害を受けた日本人女性のために…

 韓国メディアの論調や政府のコメントに、日本人女性被害者を慰め、自国民が迷惑をかけたことに対する謝罪は一切見当たらなかった。

 むろんMBCは、この容疑者の経歴や詳細を暴露する放送はしていない。

 韓国メディアが容疑者の実名を明かすことはなく、顔は全てモザイクをかけて報道した。

 被害を受けたら倍で返すが、被害を与えたら話題をそらす。およそ報道機関と呼べるものではあるまい。

 強姦被害を受けた日本人未成年女性のために、慰安婦団体はソウルの真ん中に少女像を作らないのか。

 今回の事件を見て、韓国の従軍慰安婦被害に関する日本政府への謝罪要求と「平和の少女像」設置活動も取り上げざるを得ないと考える。

 ドイツ・ベルリンに「平和の少女像」を設置した市民団体は、銅像を撤去しようとするドイツ政府に対し、少女像は反日の道具ではなく「世界女性人権の象徴だ」と主張して、撤去に反対した。

 従軍慰安婦被害者に名を連ねる人達は皆「女性人権運動家」を自認する。

 慰安婦寄付金の横領と背任疑惑などで起訴された国会議員の尹美香氏。彼女ですら慰安婦をサポートする「正義記憶連帯」に所属していた当時、「自身と同団体は、女性の人権保護を広めるために日本政府に慰安婦被害への謝罪を要求しており、世界でこの事実を伝える活動を行う」と述べている。

 もし彼女たちが女性の人権保護を切に望み、「反日で金を稼いでいる」という疑念を払拭したいなら、韓国人男性に強姦被害を受けた日本人未成年女性のための少女像をソウルのど真ん中に立てるべきではないのか。

 単に個人と個人の間の問題と考えるのか、日本軍に戦場に連れて行かれ強姦されたと主張する慰安婦被害者たちの「選択的人権」だけが、彼らにとって重要なのか。

 それとも、ニュースのコメントにあるように「慰安婦おばあさんの復讐をしてくれた」と考えるのだろうか。

田裕哲(チョン・ユチョル)
日韓関係、韓国政治担当ライター

週刊新潮WEB取材班編集

2020年10月28日掲載

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