埼玉県はうどんの生産量が香川県に次いで「全国2位」 “ご当地うどん”は20種類以上

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町おこしでご当地うどんが誕生

 鴻巣市には、麺の幅が5センチ以上もある「こうのす川幅うどん」がご当地うどんとなっている。鴻巣市と吉見町の間を流れる荒川の川幅が日本一であることにちなんで誕生した。2015年には、「埼玉B級ご当地グルメ王決定戦」で優勝した。

「旧鳩ケ谷市(現・川口市)には、市内に工場があるブルドックソースと共同開発して、町おこしのために生まれた鳩ケ谷ソース焼きうどんがあります。埼玉県には、平成の大合併の際、町おこしのために、様々なご当地うどんが誕生しています」(同)

 蓮田市には、全国トツプクラスの生産量を誇る小松菜を練り込んだ小松菜うどんがあり、川島町には、すり鉢にごまと味噌を合わせ、きゅうり、みょうが、大葉などを入れてすりこみ、冷水を入れてつけ汁にして食べる、すったてうどんがある。

「深谷市には、渋沢栄一が好んで食べたと言われる、『煮ぼうとう』があります。山梨のほうとうとは違い、カボチャが入らず、醤油ベースの汁です。ご当地うどんが20種類以上あるのは、他の都道府県では例がありませんね」(同)

 なぜ、これだけ二十種以上のご当地うどんができたのか。

「埼玉県は、北陸や東北の玄関口です。集団就職など、これまで多くの人たちを受け入れてきました。1960年の人口は約200万人でした。それ以降毎年8万人ほど人口が増え、2020年には約730万人と、60年で500万人以上人口が増えています。色んな地方から人が入ってきたので、ご当地うどんの種類が増えたのではないでしょうか」(同)

 2015年の総務省の家計調査による「うどん・そば消費量ランキング」(1世帯あたり年間消費金額)は、1位の香川県が1万2570円。埼玉県は8位で6715円だった。

「これだけご当地うどんがあるのだから、日本一のうどん王国になって欲しいですね。県民のみなさんには、1カ月にプラス2杯のうどんを食べていただけたら、日本一になれますよ」(同)

週刊新潮WEB取材班

2020年10月21日掲載

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