一世を風靡した女たちの消息 「榎美沙子」「ケバルト・ローザ」「やまのべもとこ」

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法廷でも検事や裁判官に食ってかかり、見かねた母親が…

《こんな人間としての誠実さの一かけらも見出せないような人間が、平気で教師づらをして、学生に君臨し、さまざまの犯罪を犯しているのだ!》

《われわれは、この無責任きわまりない教授会のひとりひとりに、大衆的に徹底した自己批判を求めていった》

 この時も、彼女は佐藤の頭をポカリとやって「勇気と正しさ」を示した。教授を殴ったというわりにはゲバルトの度合いは低いが、4月22日、監禁容疑で目黒署に逮捕される。

 もちろん、法廷でもおとなしくしているはずもなく、検事や裁判官に食ってかかる。見かねた母親が、「静かにしなさい」とたしなめると、

「裁判長、あの女を退廷させて下さいっ!」

《この資本主義社会に生きている限り、本当の意味での親子の幸せはない。心から血を噴き出させつつも、私は親に心配をかけるのを承知で、これからも闘争をしていくし、もし子どもが産めたなら、心に痛みを感じつつも、闘わねばならないことを子どもに徹底的に教えるであろう》(同)

 結局、子供には恵まれたが、在学中に結婚した最初の夫とは死別。54年に再婚した相手とも6年後に離婚し、現在は栃木県内で牧師をしている。

一世を風靡した「やまのべもとこ」は…

 ここは東京・目黒区にある『ハロートゥモロージャパン』という会社である。

 社長の新野(にいの)まりあ(65)は、14年前に乳癌にかかり、右の乳房を全摘出。

 以来、様々にアイデアを凝らし、人肌に近い感触を持つ「人工乳房」の開発に取り組んできた。

 平成10年には温度変化で色が変わる「はにかむおっぱい」を、昨年9月には触るとバラの香りがたちのぼる「香るおっばい」を発表。そしてこのたび、

「遂に理想に近い人工乳房の開発に成功したんです。揉んでも、洗っても落ちないんです。ぜひ触ってみて下さい」

 勧められるままに、50万円から350万円までの人工乳房を愛撫してみた。

 すべてオーダーメイドであり、乳首や血管の浮き具合など実にリアルである。が、やはり何か変な気分だ。

「乳房を失った女性の悩みは深く、離婚に至るケースも稀ではないんですよ。でも、これだとセックスも出来ます。開発に成功した時には、本当に嬉しくて嬉しくて……」

 新野はそう話し、「これこそが究極の人工乳房です」と膨らみを取り戻した胸を張る。

 新野まりあは、これまでにも新製品が出るたびにマスコミに登場していた。

 彼女、これまでずっと黙まりを決め込んでいたのだが、実はかつて「翔んでる女ナンバー1」として一世を風靡した「やまのべもとこ」なのである。

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