好調「巨人」の陰で…鳴り物入り4人の“ドラ1位投手”はさっぱり活躍しない不安

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活躍のドラ1は

 4人目は昨年のドラ1右腕・堀田賢慎だ。その魅力は185センチの長身から投げ込む150キロを超える直球で将来性を高く評価されての指名だった。高卒新人(青森山田)だけに焦らず2軍でじっくりと鍛えて……というのがまず、首脳陣の描いた青写真のハズだから、早期の1軍昇格はないというのは当然、想定内だろう。

 ただ、想定外のことが1つ起きてしまった。新人合同自主トレ時に右ヒジの痛みを訴えた挙げ句、今年4月に入ってからトミー・ジョン手術を受けるハメになったのである。当然、今年中の復帰は絶望的で、現在はリハビリ段階なのだ。ドラフト時には、まさか首脳陣もいきなりこうなる選手を指名していたとは夢にも思わなかっただろうから、ある意味、災難といえば災難だろう。

 ちなみに10年以降の10回のドラフトで読売は投手7人を1位で指名しているが、前述した4人を除くと残り3人となる。そのうちの1人、10年のドラ1である澤村拓一は、プロ入りから2年間は実績を残したものの、近年は不振続きで結局、今シーズンの9月には千葉ロッテマリーンズにトレードされてしまった。

 いや、トレードならまだマシだろう。澤村の場合は心機一転して、復活の気配が濃厚だからだ。11年ドラ1の高卒左腕・松本竜也に至っては、12~15年の在籍期間中にケガを繰り返していたこともあり、1軍の公式戦出場はなかった。

 挙げ句、15年オフには野球賭博に関与していたとして、無期失格処分の裁定が下され、失格選手となってしまう。これ以降は処分が解除されない限り、プロ野球界には戻ることが出来ないままとなっている。

 つまり、結果的にここ10年間の読売のドラ1投手で、さすがドラ1という活躍をしているのは、12年のドラ1で、いまや大エースになった菅野智之のみというお寒い状況なのである。

 独走状態を続けるチームの陰で若手のドラ1投手たちがもがき苦しんでいる。だが、そんな彼らが復活し、活躍することがチーム力のさらなる底上げに繋がっていく。読売ジャイアンツの将来にとって、欠かせないピースとなってくれることを多くのファンが期待している。

週刊新潮WEB取材班

2020年9月27日掲載

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