岩隈久志、巨人移籍後1軍登板ゼロで崖っぷち 荒木大輔になれる可能性はあるのか

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若手投手の台頭

 18年12月に巨人が岩隈の回復に賭けて入団を発表したのは、当時の巨人では新人投手が全く育っていなかったからだ。

 その2か月前の10月、当時の高橋由伸監督(45)が辞任を表明。原辰徳氏が監督に就任し、低迷していたチームの立て直しが急務だった。

「しかし今年の巨人は、2年目の戸郷翔征(20)が開幕からローテーションの中心を担い、同じ2年目の直江大輔(20)も1軍の先発デビューを果たしました。原巨人になってから投手陣が建て直され、なおかつ若返りも進んでいます。つまり、岩隈が必要とされる場面が、どんどん減っているということです」(関本氏)

 結局のところ岩隈は、17年9月に右肩の手術を行って以来、登板は日米共に2軍に限られている。1軍の試合経験を失っているのも懸念材料の1つだ。

 もちろん、奇跡の復活という例はある。

 現在は北海道日本ハムファイターズの2軍監督兼投手コーチを務める荒木大輔氏(56)は1992年9月、ケガから約4年、1541日ぶりとなる1軍先発登板を果たした。

岩隈に“奇跡”は起こるか?

 このシーズンは2試合に登板して2勝。チームもリーグ優勝を果たした。荒木氏の復帰に時間がかかったのは1988年、トミー・ジョン手術を受けたからだ。

 しかし、荒木氏が4年ぶりにマウンドに立った時は28歳だった。来季に40歳となる岩隈とは体力も全く異なる。

 ソフトバンクのエースだった斉藤和巳氏(42)は30歳で肩を手術し、登板の機会を失った。コーチ契約を結びながら復帰を模索したが、13年に退団を発表した。

 ヤクルトで“ジャイアンツ・キラー”として名を挙げた川崎憲次郎氏(49)は01年にFAで中日に移籍すると、肩の故障で低迷が続いた。

 04年の開幕試合で1274日ぶりに1軍で先発するが、打ち込まれて2回で降板。4月に再び先発するが、やはり5失点で降板。これが最後の登板となり、このシーズンで現役を引退した。

 関本氏も「岩隈ほどのベテランで、これほど1軍で投げていないピッチャーは思い当たりませんね」と話す。

 登板間隔が空けば空くほど、一般的には“勝負勘”などが失われるという。

 巨人はシーズンが終了すると、岩隈にどんな対応をするのか。それを受けて岩隈がどう動くか、間違いなく大きな注目を集めそうだ。

週刊新潮WEB取材班

2020年9月26日掲載

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