早くも指摘される「菅義偉首相」の弱点 このままでは短期政権になると言われるワケ

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ここでも人材不足?

 安倍晋三首相(65)を支えた功労者として、菅義偉・官房長官(71)、麻生太郎・副首相兼財務相(79)、今井尚哉・首相補佐官兼秘書官(62)──この3人の名は必ず挙がる。ならば次期首相が確実視される菅氏の側近・盟友・知恵袋と呼べる人物は誰だろうか?

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 9月8日、自民党総裁選の所見発表演説会が党本部で開かれた。立候補した石破茂・元幹事長(63)、岸田文雄・政調会長(63)、そして菅氏の3人が、コロナ対策や格差問題について自説を展開した。

 しかしながら、総裁選は既に菅氏の勝利が確定しているという見方が圧倒的だ。つまり次期首相は、菅氏で決まりということになる。

 であるからこそ、菅首相をサポートする側近が今すぐにでも必要なのだ。政治担当記者が言う。

「首相側近と言ってもブレーンや秘書など様々な立場がありますが、まず女房役の官房長官に注目が集まります。何しろ毎日、記者会見を開き、テレビで流されます。内閣の顔であり、官房長官のイメージが内閣支持率に影響を与えることも珍しくありません。政策の遂行では官僚をまとめ上げ、与党との折衝が求められる重要ポジション。果たして菅さんが誰を任命するのか、今から関心が高まっています」

 日本史の教科書に記述が載ることは少ないが、多くの首相側近が日本政治史には名を残している。

池田勇人の側近

 前出の政治担当記者が解説する。

「戦後復興を成し遂げた宰相と言えば吉田茂(1878~1967)です。“吉田13人衆”や“吉田学校”という言葉があるように、彼は側近に恵まれ、多くの後進を育てました。中でも通商産業省(現:経済産業省)の設立に尽力した白洲次郎(1902~1985)と、大蔵省(現:財務相)次官から政界に転じ、当選1年目から大蔵大臣に就任した池田勇人(1899~1965)の2人が特に“吉田の右腕”と呼ばれています」

(註:故人は敬称略とした。新聞記事の引用などに際しては、全角数字を半角に変えるなど、デイリー新潮の表記法に合わせた)。

 吉田退陣後、2人は好対照の道を歩んだ。白洲次郎は政界と一切の関係を絶ち、財界に復帰した。池田勇人は1960年、首相に就任した。「所得倍増計画」はあまりに有名なスローガンだ。

「首相の池田を首席秘書官として支えたのが伊藤昌哉(1917~2002)でした。満州国軍の士官として終戦を迎え、戦後は九州のブロック紙・西日本新聞の記者になりました。経済記者として池田と出会い、関係を深めたのです。伊藤は社内で閑職に回されたこともあって退社。1958年に池田の私設秘書になりました」(同)

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