早くも指摘される「菅義偉首相」の弱点 このままでは短期政権になると言われるワケ

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小泉首相の側近

 近年の政権では1996年、首相に就任した橋本龍太郎(1937~2006)を、内閣総理大臣秘書官(政務担当)として江田憲司・衆院議員(58)が支えた事例が有名だ。ちなみに当時の江田氏は通産省のエリートキャリアだった。

 2006年9月15日、毎日新聞は「クローズアップ2006:小泉政権5年5カ月 飯島勲・秘書官に聞く」の記事を掲載した。

 小泉純一郎氏(78)は01年から06年まで首相を務めたが、このインタビュー記事で毎日新聞は、首相秘書官を務めた飯島勲氏(74)を《小泉純一郎首相の最側近》と形容した。

 記者が《昨年の「郵政選挙」の「刺客候補」》について質問すると、以下のように内幕を赤裸々に語った。

《私が関与する候補の発表というか、打ち上げ花火のタイミングは任せてもらいました。オールジャパンで名前が通っていて、どこの有権者も納得できる経歴の持ち主を探したが、「この選挙区でないと嫌だ」という人は有名人でも外しました。準備は解散の3カ月前ぐらいから。最後は小泉、自民党の武部勤幹事長、二階俊博総務局長(現経済産業相)の3人の意見が100%一致した人を擁立しました》

菅氏のリーダーシップ

 小泉氏は自民党内でも一匹狼として知られた男だった。飯島氏がいなければ、総理の座に就くことはできなかった。もちろん、長期にわたって政権を維持することもできなかった。

 結局は首相のリーダーシップが重要なのは言うまでもない。とはいえ、側近の能力が低ければ、短命政権に終わる確率が一気に上昇してしまう。

 首相を長く続けるためには、優秀な女房役や側近が必要なことは間違いない。

 菅氏は無派閥の議員である。しかしながら、自民党内で結成された「令和の会」や「ガネーシャの会」といった無派閥議員のグループで、リーダー的なポジションに就いている。

 大手全国紙は、こうしたグループを実質的な“菅派”と見なし、産経新聞が《無派閥議員の「菅グループ」は30人を超える》と報じたこともある。

 菅氏は徒手空拳で首相の座に就くのではない。側近の候補を探せる“自前の派閥”を一応は持っているとも言えるのだ。

 ところが前出の政治担当記者は、そもそも“菅派”が存在するのか疑問を示す。

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