ナイジェリア発の「ブラックマネー詐欺」とは トリックを解説

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「小学生程度の…」

 その2、3枚を犯人が手元に引き取ると、ポケットなどに入れてある予(あらかじ)め黒く染め抜いた本物の紙幣と巧妙にすり替えるのだ。

「紙幣をヨウ素液に浸透させ、酸化して黒く変色させているのです。それにビタミンCが含まれるレモン汁などをかけると還元され、元に戻ります。小学生程度の理科の知識があれば誰でもできる仕掛けです」(同)

 黒い紙が目の前で紙幣に戻る様を見せ、ビジュアルで信じ込ませた後に、元に戻せるとした薬品代を請求したり、大金に見せかけた黒い紙を買い取らせるなどして騙すケースが多い。

 詐欺事件に詳しいジャーナリストの多田文明氏は、安易に手品に騙される理由についてこう言う。

「犯人は知り合ってすぐに騙すわけではなく、何度も接触してきます。時間を守ったり契約書を遵守したり、信頼関係を築いた上で仕掛けてくるのです」

 トリックを見破るためにも知っておくべきだろう。

 黒い紙幣にご用心――。

週刊新潮 2020年8月27日号掲載

ワイド特集「列島沸騰!」より

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