コロナとインフルエンザを比較 大規模調査、隔離措置は不要?

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大規模調査は必要なくなる段階に

「データがだいぶ揃い、新型コロナが日本ではそこまで危険でない可能性が、日に日に高まり、医療関係者の間でも、そういう論調が増えています。毎日“何百人感染”と報道される影響で、一般には、猛毒のウイルスというイメージが染みついていますが、その数字の意味をよく理解していない人が多いのでしょう。現実には、東京の新規陽性者が300人でも、死者は0とか1、2なのです。また感染者の半数程度は無症状で、8割程度は軽症ですむことを考えると、感染者を一人一人あぶり出すやり方には無理がある。ちなみにインフルエンザも、感染者の7割程度は症状が出ないといわれ、新型コロナ同様、無症状のまま感染させている可能性があります。しかし、社会はそれを許容してきた。新型コロナについても、そろそろそういうレベルの話にもっていくべき時期ではないでしょうか」

 もう半年余り、全国の感染状況を日々、可視化している現状に対しては、

「死亡者が少ない日本においては、風邪の大規模調査をやってしまっただけ、という可能性もあると思います。2、3年後に振り返ったとき、医学界ではそういう評価になるかもしれない、と考えています。風邪やインフルエンザで亡くなる方も少なくないのに、新型コロナだけを特別視し、社会全体で怖れる必要があるのかどうか、考えなければなりません」

 インフルエンザによる死者は、年間3千人を超えることが多い。インフルエンザがきっかけで、肺炎などで亡くなった人を加えると、数字はさらに跳ね上がる。ところが毎年、多くの日本人が流行期の正月に、故郷の高齢者のもとに帰省し、それを止めようという声は、寡聞にして聞かない。少し冷静になるだけで、新型コロナの怖れ方の異常さに気づくはずである。

週刊新潮 2020年8月27日号掲載

特集「医師が証言! コロナ過剰対策で『認知症パンデミック』が起こっている!」

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