コロナ治療薬開発でバイオベンチャーの株価が高騰 “共同発起人”のオバマ前大統領サイドは怒り心頭のワケ

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財団の回答

 何のことはない、オバマ大統領は単に成功を祈っているだけなのだ。「共同発起人として当会に参加し」の部分は、原文に全く存在しない。つまり誤訳ですらない。事実無根の文章を勝手に付け加えた“虚偽字幕”と指摘されても仕方ないだろう。

 改めてデイリー新潮としてオバマ財団に取材を申し込むと、広報担当者から驚くべき内容の回答が寄せられた。和訳してご紹介しよう。

《IACT4C(註:「国際新型コロナウイルス細胞治療研究会」の英略語)は、プレス向けの資料に私たちの組織を載せているが、そうした提携は真実ではない。口頭あるいは書面にかかわらず、オバマ大統領や財団がIACT4Cを支援しているとする、いかなる発言も虚偽である》

《オバマ大統領自身はIACT4Cからは招待状を受け取っていない。鳩山総理の事務所からオバマ財団へ、前大統領に共同発起人になってもらいたいとの招待が届いたが、すぐに財団の国際担当責任者のベルナデッタ・ミーハンから、大統領と財団を代理して丁重に断りの返事を出した》

《記者会見で読みあげられたメッセージは作り話で、虚偽の言葉がでっち上げられている。ミーハンが送った断りの手紙を反映していない。(会見で)それを読みあげた女性はオバマ財団のスタッフではなく、彼女が何者で、どの組織に所属しているかも分からない》

《私たちは、鳩山総理の事務所とIACT4Cに、オバマ大統領とミシェル大統領夫人、(オバマ財団の)ミーハンに関する全ての写真とビデオを削除するよう求める通告書を送っていた》(註:オバマ大統領、鳩山総理、大統領の表記は原文ママ)

CENEGENICS JAPANの反論

 完全否定とは、まさにこのことだろう。ちなみにIACT4Cの公式サイトには8月3日に「研究会ホームページのリニューアル作業を行います」と告知されているが、これはオバマ財団の抗議と関係があるのだろうか。

 以上を踏まえ、テラ社とCENEGENICS JAPANに取材を申し込むと、前者は取材拒否だったが、後者は広報担当者が電話取材に応じた。

 広報担当者は「オバマ前大統領はIACT4Cの共同発起人であり、その承諾を得たレターも所有している」と、何とオバマ財団の見解に真っ向から異を唱える。

 その一方で、8月3日のリニューアル作業がオバマ財団の要請と関係があることは認めた。しかし、やはり内容は財団の説明とは異なる。

「メキシコで臨床試験も実施され、私たちは新たなステージに移る段階を迎えています。そのため研究会の役割は終えたと考えています。オバマ前大統領からは『共同発起人の報道により、様々なメディアから取材の申し込みが来ている。だが米大統領選が本格化することや、研究会が役割を終えたことなどから、発起人としての役割を縮小してほしい』と要望がありました。そのため、公式サイトにおけるオバマ前大統領の記述を変更したのです」

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