韓国は日本を模倣して大きくなった…コンビニなどのフランチャイズ編

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文在寅政権の政策でFC加盟店オーナーの賃金が下がるという皮肉

 韓国のフランチャイズは日本を模倣してスタートした。日本はフランチャイズを米国から導入し、日本の事情に合わせて改良を加えたが、韓国のフランチャイズシステムは、日本を模倣しながら変貌を遂げてきたのである。文在寅政権は労働者の最低賃金アップの公約を掲げ、それは実現された。一方で、小規模自営業者の月収は下がり、自営業者が自身の収入を削って高騰する従業員の賃金を支払う状況が広がっている。日本でもフランチャイズ本部と加盟店とのトラブルはしばしば報じられるが、韓国ではまたちょっと違った悲哀のストーリーがあるようで……。

 日本の2018年のフランチャイズ市場は、チェーン数1328社で加盟は26万4556店。一方、韓国は2017年1月時点で、本部4264社、加盟店は21万7885店となっている。人口規模を考えるととても多いことがわかる。

 韓国のフランチャイズ第1号は、1979年に日本ロッテと韓国ロッテが合弁で創業したロッテリアである。ロッテリアは、日本は380店舗余りだが、韓国は1300店を超えている。韓国のハンバーガーチェーンで45%のシェアを持つトップブランドである。

 ロッテリアは当初は日本式スタイルで展開したが、海外FCの参入がはじまった1988年、ロイヤリティを免除して加盟店が増加した。

 フランチャイズ本部の収益は3つある。まずは加盟時に受け取る金銭で、一般には加盟金や研修費等で構成される。

 次がロイヤリティで、本部が継続的に提供するノウハウへの対価である。売上に対して数%を徴収し、加盟店の売上に比例して増減する。

 3つ目は食材や商材などを加盟店に販売する収益だ。

 韓国はノウハウという無形財産に金銭を払う認識が著しく低い。ロッテリアがロイヤリティを無料にして以降、ロイヤリティを徴収しないFCシステムが韓国内で定着した。

「韓国コンビニ業界のナンバー1が、日本のナンバー3に学ぶことはない」

 韓国のFC加盟は、1997年から98年にかけて韓国を襲ったアジア通貨危機、いわゆるIMF経済から一気に拡大した。

 このとき、職を失った人たちがフランチャイズに加盟して起業したが、会社を退職した中高年が退職金を元手にフランチャイズに加盟して起業する例はいまでも続いている。

 韓国で2014年に法改正されて16年から施行された60歳定年制。それまで多くの企業が55歳定年制を採用していた。また、ムダにプライドが高い韓国人は、同期や後輩が役員級など高い役職に就くと定年前に退職する。

 韓国では会社員が退職するとき、勤続年数1年につき賃金1か月相当以上の最低退職金の支給が義務付けられている。

 起業するノウハウを持たない退職者が、手に入れた退職金を元手にフランチャイズの扉を叩き、フランチャイズ本部も、この働き盛りの退職金をあてにする構造なのだ。

 FC起業で人気が高いコンビニは、夜間の外出を禁止していた「夜間通行禁止令」が解除された1982年に誕生した。

 1989年、ロッテが日本のセブン-イレブンとライセンス契約を締結し、1990年にはファミリーマートがサムスン系列の晋光グループと合弁で進出、その後、ローソンやサークルK、ミニストップなど、日系のコンビニチェーンが韓国市場を主導した。

 ファミリーマートは7900店を超え、日本を訪問した韓国人旅行者がファミマは日本にも進出しているとネットに投稿。在韓日本人や日本に詳しい韓国人の失笑を買うほど韓国内で定着したが。

 しかし、韓国ファミリーマートは2014年に撤退。表向きは出店や営業時間など、FCビジネスへの規制が強まったからだが、晋光グループから社名を変更したBGFリテールが「日本企業の世話にならなくてもいい」「韓国コンビニ業界のナンバー1が、日本のナンバー3に学ぶことはない」と豪語したという話もある。

 ファミリーマートは資本を引き上げ、BGFリテールは店名をCUに変更した。

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