韓国最高の感染症専門家いわく「K防疫は失敗」、コロナ再拡散を政争の具にする文政権

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多くの国民が反対意見を表明した「ソウル前市長」市葬

「共に民主党」の金泰年(キム·テニョン)院内代表は「光化門集会をほう助した統合党は国民に謝罪せよ」と声明を出し、「統合党は極右勢力と一体となっている」「統合党は事態を放置しただけではなく、むしろ積極的に盛り上げていたのではないかと思う」など、コロナの拡散中にも連日、統合党とチョン牧師を結びつける攻勢を繰り広げている
 未来統合党は民主党の攻勢に対し、「8·15集会はわれわれとは関係ない」「コロナ拡散の厳重な状況を政治的に利用するな」と反論しているが、誰かの責任をあげつらいたい韓国国民には与党の攻勢が効を奏しているのも事実だ。
 ただし、当然だが、コロナ再拡散は反政権デモだけが原因ではなく、文政権の責任も重い。
 たとえば、7月9日に自殺した朴元淳(パク·ウォンスン)前ソウル市長の葬式だ。セクハラ疑惑で自殺した人物の葬儀を市民の税金で執り行う〝ソウル市葬〟の方針に対して、多くの国民が反対意見を表明したが、与党が乗り出してソウル市主催の市民葬を行い、5日間で約9万人の弔問客を受け入れた。李海チャン(イ·ヘチャン)「共に民主党」代表をはじめとする与党関係者らが一人残らず葬儀場を訪れたが、この葬式は、保守団体によって防疫法違反の疑いで検察に告発されている。
 また、7月30日には政府が、「全国民外食クーポン」という政策を大々的に発表した。8月から毎週末、外食店でクレジットカードを使って一定額以上の決済をすれば、1万ウォンの外食割引クーポンをもらえるというもの。

専門家は「反省もなく、特定集団を魔女狩りするやり方では、別の危機を招くだけ」と警告

 さらに文政権は8月12から映画割引クーポンを市中にばら撒き、そのクーポンで50万人が映画館を訪れることに。また、8月17日を特別休日に指定してコロナに疲れ果てた国民を慰労すると宣言し、おかげで3日連休の間、韓国全域の休暇地には、数百万人が訪れ大混雑が起きた。10月には、全国民に旅行を誘導するキャンペーン「旅行週間」が実施される予定で、さらなる感染拡大も恐れられている。
 文政権と与党が猛攻を浴びせている8・15集会は保守団体だけが出席したわけではない。同じ時間に、光化門広場から数百メートル離れた鐘路という場所では、全国民主労働組合総連盟(民主労総)の会員約2000人が「米韓ワーキンググループの解体」「GSOMIA破棄」などのスローガンを叫びながら奇襲デモを行ったが、これを問題視する与党政治家は一人もいない。
 思えば今年2月、大邱(テグ)の新天地教会で発生した大規模なクラスターの直前も文在寅政権は韓国民に誤ったシグナルを送った。文大統領は大邱の新天地教会でコロナのクラスターが勃発する直前の2月13日、「コロナはまもなく終わる」と断言し、洪南基(ホン·ナムギ)経済副総理は外食を積極的に勧めるなど、韓国社会では防疫に対する緊張感が一気に解け、コロナ拡散の原因を提供したという事実がある。
 韓国最高の感染専門家である高麗大学医学部のキム·ウジュ教授は、朝鮮日報のインタビューで、「コロナ再拡散の根本的な理由は、政府の防疫政策の失敗にある。それに対する反省もなく、危機の度に特定集団を魔女狩りするやり方では、また別の危機を招くだけだ」と警告した。
 コロナ再拡散の危機の前で、今度は新天地教会の代わりに保守系教会や未来統合党を血祭りにあげようとしている文在寅政権の防疫は、再び韓国国民から支持を得ることができるだろうか?

週刊新潮WEB取材班

2020年8月22日掲載

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