元世界王者が語る「ルービックキューブ40周年」 コロナ禍で訪れた“第3次ブーム”

エンタメ 2020年8月21日掲載

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スピード記録はどんどん上がる

 解法とは数学ではなく、揃え方の手順のこと。それがネットで見られる時代になっていたとは……。ならば現役の“キュービスト”に聞いてみよう。日本ルービック協会の巣瀬雄史会長(42)である。いつ頃、ルービックキューブを始めたのだろうか。

巣瀬:まだ小さい頃、物心ついた時には家にあったんですよ。僕らの世代にはそういう人が多いと思いますよ。それで適当にいじくってみて、1面はなんとなく揃えられましたが、教えてくれる人もいないので、結局そのままに。6面揃えたのは就職して、同僚に教わってからです。6面を揃えるには、それまでの考え方を変えないとダメなんです。ただし、6面揃えてやめてしまう人もいると思いますが、そこはまだゴールではない。6面を揃えてから、新たな発見が出てくるんです。

――常人には到達したことのない境地だ。

巣瀬:ただ、僕はその域に達するのが遅かった。あと10年早かったら、世界大会でも活躍できたかも……なんて思います。大会の競技はスピードが基本です。やはり年を取ってくると指先の反応などが鈍くなりますからね。それに記録は年々、上がっています。スピード競技では、5回回し(揃え)て、一番早い記録と一番遅い記録を除いた3回の平均が記録になります。単発のスピードを競うものもありますが、やはり公平性を重んじる平均記録のほうが価値がありますね。ちなみに現在、平均の世界記録は、オーストラリアのフェリックス・ゼムデグスさん(24)が昨年出した5・53秒です。

――5秒台で6面を揃える!?

巣瀬:そうです。単発の記録では3秒台がありますよ。第1回世界大会の優勝記録は、22・95秒。10秒を切るようになったのは10年前くらいからだと思います。それほど記録は塗り替えられていっているんです。ですから僕も今なら、初代の日本ルービックキューブ協会会長であり、世界大会で優勝した秋元正行さん(54)にもスピードでなら勝てると思います。

 では、秋元正行氏に聞いてみよう。彼は発売翌年に開催された「第1回日本キュービスト大会」にも参加している。始めたきっかけは何だったのだろう。

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