「コロナ失業」で生活苦へ一気に転落した人々の告白…忍び寄る詐欺の魔の手

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見え見えの詐欺に騙されて

 話を聞く限りだとAさんの知人は、オレオレ詐欺などの特殊詐欺でカードや現金を受け取る「受け子」をやらせようとしたと思われる。被害者と対面して受け取ることから、最も逮捕のリスクがある役割だ。その割に支払われる金額は極めて少なく、酷い場合は何ら金銭を支払わないケースもある。詳細な話を何一つ教えず受け子をやらせようとした知人は、おそらくAさんを使い捨てるつもりだったのではないだろうか。

「固定給30万円~保障! 裏の在宅ワーカー募集!!」(原文ママ)

 掲示板には見るからに怪しい文面で、まともな大人が見れば呆れるような文言が並んでいる。こうした言葉に誘われて詐欺被害に遭ったBさんは30代前半。元々は東京で飲食店など複数のアルバイトをしていたフリーターだったが、コロナで勤め先が休業や人員削減などを行った結果、生活を送れないほど困窮し、現在は東北地方の実家で休職中だ。

 思わず「よくこんな胡散臭いものに応募しましたね」と言うと「地元の最低賃金は千円を切っているから、ここで働いても東京に戻れる気がしなくて……」と声を沈ませた。

 厚労省の令和元年度地域別最低賃金改定状況によると、東北6県の最低賃金は790~824円。東京で8時間働けば最低でも8千円を超えるのに対し、東北地方では6千円強だ。アルバイトだけでアパートを借り自活するにはかなり生活費を削る必要がある。

 単純に高額なアルバイトを探していたところ、ネットで「裏仕事」や「闇のハローワーク」などといった単語が書かれたサイトやSNSに行き着いた。そして虎の子の20万円を吸い上げられた。

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