韓国はキャッシュレス超大国と胸を張るけれど…おひざ元の通信網は脆弱で

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政権は、盗人猛猛しい

 もちろん商店にとって、キャッシュレス決済手数料の負担は小さくない。しかし、キャッシュレス取引は代金が経営者の口座に振り込まれるため、従業員の現金着服を防ぐことができる。バス運賃も交通カードは運転手の着服を防ぐ効果があり、キャッシュレスが拡大した。

 カードに加え、モバイルを活用したキャッシュレスサービスも拡大している。ポータルサイト最大手のNaverが運営する「Naver Pay」、SNSのKakaoTalkと連動した「KakaoPay」、サムスンのスマートフォンに装備された「Samsung Pay」が普及しているが、政府とソウル市もまた2018年12月から「ゼロペイ」の運用を開始した。

 ゼロペイは加盟店手数料を最低0%に抑えたモバイル決済で、普及を促進するため、利用者が40%の所得控除を受けられるインセンティブを導入した。

 中小ベンチャー企業部とソウル市はゼロペイの運営会社を設立する際、政府系のIBK企業銀行や新韓銀行、KEBハナ銀行など主要銀行に1社10億ウォンの拠出を求めた。資本金ではなく寄付金である。

 ゼロペイは、手数料を収入源とするクレジット会社にとって民業圧迫となるが、そのクレジットカード会社を系列に有する銀行に寄付金の拠出を求めたのだ。政権は、盗人猛猛しいとしかいいようがない。

 そのゼロペイは事業開始から半年でPRや加盟店誘致に98億ウォンを使ったが、利用実績は36万5000件、57億ウォンにしかならなかった。同期間のクレジットカードは49億件266兆ウォン、デビットカードに相当するチェックカードも32億件74兆ウォンあり、ゼロペイは箸にも棒にもかからない制度としてスタートしたのである。もちろん現在も動きは冴えない。

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