韓国…セクハラ・パワハラ大国、何でもちゃぶ台返しの「甲乙問題」とは?

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妊婦のお腹を殴る事件の背景にも

 2016年9月、ソウル地下鉄4号線で老人が優先席に座っていた妊婦のお腹を殴る事件が起きた。ソウルの地下鉄は各車両の両端に老弱者席が設置されているが、実態は高齢者専用席になっていて、着席している若い妊婦を高齢者が立たせる例は珍しくない。ソウルメトロは高齢者への啓蒙を断念し、老弱者から離れたところへ妊婦席を設置した。

 2014年11月7日にはソウル江南区の住宅地、狎鴎亭洞のマンションで50代の警備員が焼身自殺を図り、今年5月にも同様にマンションの警備員が自殺した。いずれも住民から継続して暴言や暴行を受け、鬱になって自殺したのだ。

 韓国ではパワハラを受けて鬱になる人が多く、鬱対策に取り組んでいる企業は少なくない。そもそもパワハラがなければ必要ない対策なのだが、パワハラの加害者は鬱対策の担当者にとっても上司にあたる。だから、トップのパワハラを諌めることはできず、被害者の鬱対策に精を出している。

佐々木和義
広告プランナー兼ライター。商業写真・映像制作会社を経て広告会社に転職し、プランナー兼コピーライターとなる。韓国に進出する食品会社の立上げを請け負い、2009年に渡韓。日本企業のアイデンティティや日本文化を正しく伝える必要性を感じ、2012年、日系専門広告制作会社を設立し、現在に至る。日系企業の韓国ビジネスをサポートする傍ら日本人の視点でソウル市に改善提案を行っている。韓国ソウル市在住。

週刊新潮WEB取材班編集

2020年7月23日掲載

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