「文在寅」人気取り作戦のツケ…高齢者の雇用増、若者は国内就職諦めて国滅ぶ

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高齢者への人気取り政策

 いま韓国は、若い失業者が増える一方で、高齢者の雇用が伸びている。韓国統計庁が発表した統計によると、韓国全体の就業者数は前年同期と比べて35万2000人減少した。15歳から29歳の青年層は17万人減で、30代は19万5000人減、40代も18万人減など20代から50代の雇用環境が悪化している一方、60代以上の就業者は33万8000人増加している。

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 高齢者の就業環境が改善された要因は、文在寅政権の政策だ。文政権は定年延長や高齢者の短期公共雇用など、高齢者の雇用創出に取り組んできた。文在寅大統領の支持層は20代から30代が中心で、60代以上は不支持層が多い。

 文政権の発足前の2016年4月から6月期に384万人だった60歳以上の就業者は、今年は509万4000人に増加した。一方、2016年に390万8000人だった青年就業者は、今年は372万4000人だ。

 要するに、高齢者雇用は4年で125万4000人改善されたが、青年就業者は18万4000人減少。景気沈滞が続いたところに、新型コロナの感染拡大が重なり、若い世代の新規採用が激減した恰好だ。

 若い世代の雇用環境悪化を横目に、韓国政府の雇用労働部は高齢者のさらなる雇用促進に邁進する。政府は3月22日から5月5日まで、新型コロナウイルスの拡大を防ぐため、外出自粛や集会中止、会の運営制限など「社会的距離の確保」を実施。感染が一時的に収まった5月6日に制限が緩和されると、雇用労働部は、高齢者雇用事業を再開し、1か月で30万2000人の高齢者が職を得ている。

 表向きは雇用労働部が率先してと言ってはいるけれども、この政策の主導者は文大統領だ。彼が高齢者雇用創出に取り組んだ背景は2つある。ひとつは、文大統領は高齢者からは不人気で、それゆえに彼らからの支持をより獲得したいというニンジン作戦。今年4月に少子高齢化対策で70兆ウォン規模の予算を編成し、高齢者の雇用創出に2兆5778億ウォンが充てられた。

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