「将棋と囲碁」子どもにやらせるならどっち? 脳への効果は 「茂木健一郎」「萩本欽一」語る

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「将棋」と「囲碁」子どもにやらせるならどっち?(3)

 将棋を指す、あるいは囲碁を打つときには頭をフル活用するが、「脳」への影響は如何なるものなのだろう。子供にやらせるならどっち?をテーマに著名人が持論を語る本シリーズ、最終回はわれわれオトナへの効果についてもご紹介する。

(「週刊新潮」2018年2月22日号に掲載された記事を再編集したものです。肩書や年齢は当時のものを使用しています)

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「羽生竜王は勝利を確信した時、駒を指す手が震えるという逸話がありますが、それだけ心身を削る非常に激しいスポーツです。将棋も囲碁も、頭を使うスポーツ、つまり子どもの脳を鍛えるのには最適ですね」

 と語るのは、脳科学者の茂木健一郎氏(55)である。5歳の時から囲碁を嗜み、今でも1日5分、スマートフォンで碁を楽しむ一方で、ちゃんと将棋も時々指しているという。

「囲碁は大局観が必要なスポーツで、脳の空間認識力を司る前頭葉が鍛えられます。囲碁の広い盤面上には、その大きさと同じくらい良い手、打つべき手がたくさんある。局面も多く、ひとつに決められないくらい選択肢があり、優先順位が難しいので、『損をして得をとる』という打ち方が求められる。そんなところが経営や人生に似ているので、政財界に愛好者が多いのでは」

 やはり人生には「囲碁脳」が有効なのか。けれど、「将棋脳」を目指せば、論理的思考が鍛えられると続ける。

「極端に言えば、将棋は常にひとつの最適手をみつける論理パズルです。どの局面においても、唯一の正解は王様を取ることと守ること。その正解に向かって論理的に思考を続ける必要がある。誤解を恐れずに言えば、将棋はプログラミングなどひとつのことに徹する、理系的なキャリアを志向する方に向いている。対して囲碁は、文系的なキャリアプランを考えている人に良い。我が子をスペシャリストに育てたかったら将棋、より広く物事を見る力を育てたかったら囲碁と言い換えてもいいでしょう。とはいえ、どちらが上か下かという話でもないので、お子さんには将棋と囲碁、どちらも経験させて欲しいと思います」

 参考までに、元AKB48メンバーで、日本棋院の囲碁大使として活動する戸島花さん(29)はこうも言う。

「中学生になってから囲碁を始めましたが、きっかけは漫画『ヒカルの碁』のセリフにある〈碁盤は宇宙〉で〈宇宙に星を増やすように石を置く〉というような幻想的な世界観に惹かれたこと。ココに自分の石を置いたら陣地が広がるなぁとか、まるで絵を描くような楽しさがあるんです。美的感覚も養われました。美術の授業も好きでしたし、創造力が身につくと思います」

 各々の特性を持つ「将棋脳」と「囲碁脳」。どちらを子どもに持って欲しいかで、自ずと答えは導けそう。

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