藤井聡太七段、最年少タイトル獲得のウラで大学進学を希望していた母との”対局”

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東大に行かせたい

 将棋の最年少棋士・藤井聡太七段(17)が従来の記録(17歳11カ月)を30年ぶりに更新、将棋界初の「17歳タイトルホルダー」となった。7月16日、ヒューリック杯棋聖戦五番勝負の第4局。渡辺明棋聖(棋王・王将、36)を破ってシリーズの対戦成績を3勝1敗とし、棋聖のタイトルを獲得した。その激戦のウラには、母親とのもう一つの戦いがあったという。大学進学を希望していた母との”対局”――。

(以下は「週刊新潮」2020年1月30日号掲載記事を再編集したものです。肩書や年齢は当時のものを使用しています)

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 去る1月19日、名古屋で開かれた朝日杯に登場した藤井七段は順当に勝ち上がり、2月に行われる準決勝へと駒を進めた。3連覇がかかる今大会に限らず、2020年はこれまで以上に注目を集めることになりそうだ。

「過去、タイトル獲得の最年少は18歳6カ月で、今年18歳となる藤井君にとって、この記録を更新できるか、勝負の年になります」(観戦記者)

 そうした決意の表れだろう、年始にNHKのインタビューに応じた藤井七段は、「研鑽」と書かれた色紙を見せながら、

〈大学に進学することはあまり想定していない〉

 と明言したのだ。

「現在、名古屋大学教育学部附属高校2年生の藤井君は、将棋に集中するため大学へ進学しないと見られていました。そもそも高校進学も迷った末の決断でしたし、“大学に行く意味あるのかな”とも話していましたからね。一方、彼のお母さんはかつて“東大に行かせたい”という希望を持っていた。母子の間で意見が食い違っていたわけですが、それを振り切った形です」(同)

 高校は偏差値60を超え、毎年東大合格者が輩出する地元では知られた進学校だ。母がそのような希望を持つのも理解できるというもの。

「昨年の秋くらいからお母さんとの間で話し合っていたみたいです」

 と声を潜めるのは、事情を知る将棋連盟の関係者。

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