好調「ワークマンプラス」仕掛け人の正体 売上げを600億円増やした秘訣は?

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 コロナ禍の影響で、アパレルの名門レナウンは倒産し、ユニクロも2020年8月期の純利益予想を前期比マイナス38%と発表した。そんな中、作業服で知られるワークマンは、順調に売り上げを伸ばしている。今年1~3月は前年同期比2桁増、4月は5・7%増、5月は19・4%増。なぜ、ワークマンは好調なのか。その裏では、ある幹部社員の活躍があった。

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 かつてワークマンといえば、吉幾三のテレビCM、“行こうみんなでワークマン”を思い浮かべたはずである。同社が作業服専門店からアウトドアショップへと進出したのは2018年9月。東京都立川市のショッピングモール「ららぽーと立川立飛」に新業態『ワークマンプラス』を出店したのだ。マネキンやポップを多用した店舗は、これがワークマンかと見まがうほど洗練され、店先には連日行列ができ、1億2000万円の年間目標はわずか3カ月で達成した。

「『ワークマンプラス』に並んでいる商品は、ワークマンで扱っている1700アイテムの中から、アウトドアウエア、スポーツウエア、レインスーツなど、一般受けする320アイテムを選んで販売しています」

 と解説するのは、日経クロストレンドの酒井大輔記者。同氏は、6月に『ワークマンは商品を変えずに売り方を変えただけでなぜ2倍売れたのか』(日経BP)を出版した。

 ワークマンプラスの売上は、既存店平均の2倍を計上。客層も一変し、女性客が半数を占め、“ワークマン女子”という言葉まで生まれた。19年には、モーニング娘。が全身ワークマンコーデで、新曲『人生Blues』のミュージックビデオを撮影した。

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