体験者は語る、コロナ自粛中にマッチングアプリに集う無軌道な男女のリアル

国内 社会 2020年6月29日掲載

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 マッチングアプリを介して男女が出会ってその日のうちに……というのは近年のトレンドとなってきたものだが、コロナ禍で自粛ムードの中、意外な「新しい生活様式」も生まれつつあるようだ。ルポライターの安田峰俊氏がマッチングアプリのヘビーユーザー・30歳男性に取材し、リポート。「彼を通り過ぎて行った女たち」から見えてくるものとは?
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 新型コロナウイルス流行にともなう外出自粛ムードはいまなお続き、世間は第二波の到来に怯える日々だ。多くの人の趣味や生活様式は一変し、不要不急の行動を手控える動きが広がる。

 私はこれまで、コロナ禍のなかでの性産業従事者やネットカフェ難民の素顔にスポットを当ててきた。さらに今回調べてみたのが、「不要不急」の最たる行為である不純異性交遊はコロナでどう変わったかである。

 知る人ぞ知る話だが、ここ数年、世間ではスマホの位置情報を反映して近所の異性と手軽に知り合えるマッチングアプリが流行し、一部の無軌道な若者の間で人気を博している。

 なかにはアプリで出会った男性とその日じゅうに、金銭的対価どころか恋愛感情すら介さずに不純異性交遊に応じる若い女性もいる──。と書くと怪しげなアフィリエイト広告のようだが、そういう世界は現実に存在する。

 コロナ流行の非常事態下でもなお、不謹慎な遊びに興じる無軌道な若者たちの実態は、いったいどうなっているのか。以下は私が取材した、2020年の出会い行為のリアルである。

清潔感が服を着て歩くようなアプリナンパ師

 取材に応じてくれたのは現在30歳の男性である。学歴は有名私大卒、現在の職業は団体職員で、年収はおよそ550万円。チャラさはまったくなく、適度に筋トレした肉体とやや日焼けした甘いマスクという、清潔感が服を着て歩いているような爽やかな青年だ。しかし、その正体はマッチングアプリのヘビーユーザーである。

 彼は人気アプリ「P」と「T」を使用し、1ヶ月あたり2~3人程度と会い、そのうち1人くらいと当日に合意の上でベッドインしている。本人いわく「打率は全盛期のイチローといい勝負」だという令和の安打製造機だ。以下、インタビュー形式で紹介しよう。

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──まず、イチローさんが会っている異性について教えて下さい。

イチロー: 年齢はおおむね23~27歳くらい。アプリ上でマッチしてから、会話がちゃんと成立する相手としか会わないこともあってか、実際に顔を合わせた女性は、大部分が大卒で普通に働いている人ですね。

──実際に会った相手の写真を見せください。ええと……。うわー、みんなかわいい。職場のアイドルみたいな人ばっかりじゃないですか。なんでこんなに魅力的な女性が、行きずりの相手とそんなことを。

イチロー: 遊びたくて、暇つぶしで登録している人がけっこういるんです。これでも最近、変なまとめサイトなんかでマッチングアプリが紹介されたからか、まともな人は減っているんですけどね。

──イチローさんは、同年代の平均と比べるとルックスや学歴などのスペックが恵まれているほうです。でも、アプリで会う彼女らは長期的な男女交際を期待しているわけではないと?

イチロー: マジで恋愛したい人は、アプリ上での会話の段階で「切る」ようにしています。遊び相手を見つける場から本気の恋愛に発展するのは、お互いに不幸ですからね。

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