体験者は語る、コロナ自粛中にマッチングアプリに集う無軌道な男女のリアル

国内 社会 2020年6月29日掲載

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韓流ドラマと「テラハ」を見ろ

──なるほど。NG事項はわかりましたけど、それだけでモテるとは思えません。イチローさんが日々、訓練していることってないんですか?

イチロー: アメリカのラブロマンス映画や韓流ドラマを見まくると、日本人女性のニーズが見えてきます。特に韓流ドラマは日本人男子がモテる上での示唆に富んでいると思いますよ。

──別に本気で恋愛する気はなくても、男性と会っている間は韓流ドラマみたいに扱われたい人は多いわけですね。疑似恋愛的なドキドキはほしい。

イチロー: そういうことです。あとは「テラスハウス」も要研究ですね。

──テラハ。5月に木村花さんの事件で、悪い意味で有名になったリアリティショーですが、あの事件は番組がそれだけ多くの人に見られていたということでもあります。

イチロー: 見ている女性は多いんですよ。基本的にテラハの話題で盛り上がれば、家に呼べるくらいの仲にはなれます。アプリでモテたい人はテラハを全作見て研究するのがオススメです。

ダメな男がなぜダメかを察して、いい男がなぜいい男だと評価されているかの感覚をつかめれば、相手は自然と警戒心を解いてくれます。あとは清潔感をクリアすればいい。

──工作ターゲットが日常的に触れているコンテンツを研究することで、相手の内在的論理をつかむ。スパイがよくやる対外諜報活動の基本ですね。これが、コロナ下でもアベレージを落とさない隅田川のイチローの打撃理論か……。

イチロー: 清潔感、共感力、意外性、そして少しの勢いが大事。これが僕が20代の10年間を通じて得た学びです。

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 やっている行為は最悪なのになんだかとても勉強になってしまったが、不特定多数の人間との濃厚接触はコロナ予防の大敵である。マッチングアプリでデート相手を探す世間の女性各位は、祭りの神輿を担いだ写真をプロフに設定している爽やかイケメンにはよく注意されたい。

安田峰俊
1982年、滋賀県生まれ。中国ルポライター。立命館大学人文科学研究所客員協力研究員。『八九六四 「天安門事件」は再び起きるか』(KADOKAWA)が第五回城山三郎賞、第50回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した。近著に『移民 棄民 遺民 国と国の境界線に立つ人々』(角川文庫)、『性と欲望の中国』(文春新書)、『もっとさいはての中国』(小学館新書)ほか。

週刊新潮WEB取材班編集

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