百貨店で“密”予防のエレベーター定員制 利用客からのクレームは

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 エレベーターに足を踏み入れたら定員超過でブザーが作動した経験は誰にでもあろう。ところが今、都内の百貨店では端から数名しか乗れない状態だ。

 各百貨店のエレベーターの制限人数は以下の通り(カッコ内は主なエレベーターの本来の定員数)。伊勢丹新宿店6名(21名/26名)、日本橋高島屋本館4名(23名/16名)、日本橋三越本店8名(20名)もしくは10名(27名)、東武百貨店池袋本店5名(22名)、西武池袋本店6名(32名/27名)。

 西武池袋本店に訊くと、

「東京都の事業者向け感染拡大防止ガイドラインに従って取り組んでいます」

 つまりガイドラインに従い、各百貨店とも「このぐらいの人数であれば“密”を避けられる」(西武)という感覚のようだ。さらに利用客に立ち位置までマークで指示しているのは、高島屋や東武百貨店、西武。

「ひとつの目安として表示しております」(高島屋)

「お客様に伝わりやすいように足元にマークを印字しております」(東武百貨店)

 しかし、いよいよ営業も本格再開しているのに、利用客から苦情が出ないのか。

「特に不便だというお声は頂戴しておりません」(三越伊勢丹)

 そんなものだろうか。日本橋高島屋が言う。

「日本橋店の場合、高齢者のお客様が多いので、むしろ密室のエレベーターは怖いと避けられる方が多いように思われます」

 なるほど。これに加えて、ある百貨店関係者が切ない“理由”を明かす。

「エレベーターを利用して大勢の客が上の階に集まるのは、主として物産展の時。北海道展などは混み合うのが通例で、だからこそそうしたイベントもすぐには開ける状態ではありません。夏を迎えて、上階のギフトセンターがお中元を買いに来る客で賑わったのも今は昔の光景ですし」

 頑張れ、百貨店。

週刊新潮 2020年6月25日号掲載

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