拳銃自殺「高1少年」に残された謎 不登校と父の死、難病…入手ルートは

国内 社会 週刊新潮 2020年6月18日号掲載

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 15歳の男子高校生が拳銃を使って自殺――。

 耳を疑うような事件の現場となったのは、東京・八王子市の新興住宅街だ。クリーム色の壁の似通った外観の一軒家が立ち並ぶ一角。そこにある家の2階から乾いた銃声がしたのは、6月8日午前8時頃だった

 その家に暮らしていたのは私立高校1年の少年Aと母親。Aには年の離れた姉がおり、普段は別の場所で暮らしているが、発砲音がした際はこの家にいた。

「『パン』という音を聞いた母親が2階の部屋に上がったところ、少年が頭から血を流しているのを見つけた。部屋には回転式拳銃のようなものが落ちており、少年の頭には、左側から右側に銃弾が貫通した痕があった。病院に運ばれたが、約2時間後に死亡が確認された」(捜査関係者)

 この事件が何より衝撃的だったのは、少年Aが拳銃を使用した、という点だろう。しかもその拳銃は、

「真正のものだったことが分かっている。改造モデルガンや3Dプリンターで複製したものではなく、本物の拳銃だったのです」

 と、警視庁関係者。

「アメリカにある『スミスアンドウェッソン』社製の拳銃で、色は銀色。銃身が短く、小型のタイプです。少年はネットの闇サイトなどで拳銃を入手した可能性もあり、本人のスマホを詳しく解析しています」

 少年Aと母親が事件のあった家で暮らし始めたのは昨年初めごろからである。それ以前は東京・小平市の一軒家で生活していた。

「今朝ニュースを見て、場所と家族構成を聞き、もしかして……と思った」

 そう話すのは、近隣住民の一人である。

「Aくんの父親は外交官で、2003年頃にここに来る前はアルゼンチンなど南米の国に赴任していたと聞きました。ここに越してきた当時はまだAくんは生まれていませんでした」

 親の職業柄なのか、小平で暮らしていた当時、Aは英会話教室の「ECC」に通っていたという。

「彼はECCに小6から中1の夏くらいまで通っていたと思います」

 と、Aの小平時代の中学の同級生が振り返る。

「私とはECCのクラスが同じで、1クラス5人から6人くらい。たまにECCの宿題の話などをしたのを覚えています。彼の印象としては暗く、交友関係は広くない。数人ゲーム仲間がいたみたいです。スマホやプレイステーションのゲーム、具体的には、『フォートナイト』というソフトをやっていましたね。ちなみに中学ではパソコン部に入っいて、ネットに詳しそうなイメージはあります」

 本物の拳銃とは無縁の一家だったことが分かるが、今回の自殺に至るまでには、いくつかの「不幸」が重なっている。その一つが、中学時代の不登校だ。

「彼が不登校になったのは、中2の春頃から。原因は分かりませんが、いじめではないと思います。同級生からは好かれている印象で、不登校になってから、『大丈夫かな』と心配する声があったくらいなので。不登校になったあと、いつの間にか引っ越した」(同)

 その背景にも「不幸」が見え隠れする。

「Aくんの父親が血管系の病気になり、それもあって引っ越したと聞いています。母親は、息子は思春期なので学校が変わるのが心配だ、とこぼしていました。八王子に引っ越した後、割とすぐに父親は亡くなってしまったと聞きました」(別の近隣住民)

 父の病、転校、そして父の死。こうした出来事が、多感な少年の心に暗い影を落としたであろうことは想像に難くない。八王子に引っ越した後に通っていたはずの中学校の同級生の保護者に聞くと、

「同級生の間では、『Aくん? そんな子ウチの学校にいたっけ?』という話になっているそうです」

 そう話すから、引っ越した先でもほとんど学校には行けていなかったのだろう。

 それでも、今年1月には八王子市内の私立高校の面接試験を受け、合格。

「入試の前、Aくんの母親が2度学校を訪れ、不登校生徒の受け入れについて教頭に相談していました」

 と、校長が言う。

「印象としては真面目な生徒。入試面接の際も慎重に言葉を選びながら話していました。動物好きなのか、猫を自宅で3匹飼っているという話が出た。この学校には乗馬の授業があり、そこで面接官と意気投合したようです」

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