「日本医師会」はコロナ対策よりも権力闘争 なぜ会長選を今やるのか

国内 社会 週刊新潮 2020年6月11日号掲載

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 一部で囁かれていた衆院の解散がコロナ禍で遠ざかったといわれる中、日本医師会会長選が行われることとなった。現会長と副会長の熾烈な駆け引きが見え隠れしているというが、呆れた関係者からは冷ややかな視線が注がれている。

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 自民党の支持母体としても知られる日本医師会は、全国の都道府県の医師会を束ねる上部組織。現会長の横倉義武氏(75)は2012年から会長職を4期務め、安倍政権にも太いパイプがあるとされている。かねてから、5期目での去就が注目されていたのだ。

 医師会の関係者によれば、

「このコロナへの対策で、会長は連日3、4時間睡眠。早朝からコロナに関する報告を受け各所に指示を飛ばしていました。さすがに最近は疲れも見えてきて、選挙への不出馬を周囲に漏らしていたのです」

 その間隙を縫って意欲を見せたのが、中川俊男副会長(68)だった。

「10年から副会長を務める中川さんは札幌医科大を卒業して、脳外科病院を一代で作った叩き上げの医師。もともと会長選へ出ようとしていた時に横倉会長の勇退の意志を聞きつけ、俄然出馬へと勢いづいたのです。1日の出馬会見でも“会長から引退の意向を伝えられていた”と明かしました」(同)

 一時は、中川会長誕生か、と騒がれた。だが、と関係者が続ける。

「中川さんという人は医師会の中であまり評判が良くない。“救急は儲かる”なんて平気で話してしまうし、周囲に対しても横柄で、自説は曲げない。何より、政界とのパイプが細いことを不安視する声がありました」

 例えば、2年に1度行われる診療報酬の改定では、医師会が厚労省、財務省、与党議員を相手に、プラス改定を勝ち取るための丁々発止を繰り広げる。となれば、政権中枢とのパイプがある方が、と考えるのも当然のことだろう。

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