韓国「慰安婦問題」はカネ儲けの道具だった 旧挺対協を私物化した前理事長

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「慰安婦問題」はカネ儲けの道具だった!(1/2)

 とかく「正義」を声高に叫ぶ輩は厄介に思うのが世の常である。話し合いでも唯我独尊、聞く耳を持たずに謝罪を求めるだけだから埒が明かない。そんな我らが隣人の化けの皮が剥がれてしまった。善意の人々を欺き、お涙頂戴でカネ集め。そんなやり口を世間では偽善と呼ぶ。

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 新型コロナウイルス対策で「世界をリードした」と胸を張るかの国は、今や一人の老女をめぐる“舌禍”で大きく揺れている。

 28年前に元慰安婦だと名乗り出て注目され、御年91になる李容洙(イヨンス)氏が、韓国最大の支援団体「日本軍性奴隷問題解決のための正義記憶連帯(正義連)」の実態を暴露したのである。

 これに世上は騒然となった。今、韓国で何が起こっているのか。

 その驚くべき告発の仔細に触れる前に、まずこの団体と李氏の関係を説明しよう。団体は2018年に組織統合で改称される以前は「韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)」と呼ばれ、一貫して慰安婦問題を追及してきた。

 告発に踏み切った李氏と正義連は「反日」を合言葉に手を取り戦ってきた盟友である。彼女たちの主戦場は、90年代からソウルの日本大使館前で毎週開かれてきた「水曜集会」だ。少女像の周囲で、元慰安婦たちと正義連の支持者が日本へ謝罪を求め抗議する。

 中でも李氏は、戦時中の性暴力について米国議会でも証言。慰安婦問題の非難決議採択に貢献し、以降、全米各地で少女像が設置される。世界へ慰安婦問題を発信するスポークスマン役を担ってきた。

 ゆえに3年前の米大統領訪韓では、文在寅大統領から晩餐会に招かれる厚遇も受けた。トランプ大統領にハグする姿は韓国民の感動を呼び、まさに慰安婦支援の象徴的存在なのである。

 そんな彼女が、蜜月だった支援団体を真っ向から批判して、恒例の「水曜集会」の廃止まで訴えたというから只事ではない。

 その理由を、李氏は今月7日の会見で以下のように語った。

「私は(正義連に)30年来騙されてきた」

「集会は憎悪と傷ばかりを若い人たちに教え込んだ。集会には今後参加しないし、日本と真の友好を築くためにも、廃止するべきだ」

「寄付で集まった募金が元慰安婦たちに使われず、お金の行方もわからない」

 いったいどういうことか。

 朝鮮半島問題に詳しい龍谷大学社会学部の李相哲教授が解説する。

「彼女は会見で、“私たちは利用された”と発言しています。事実、正義連は直近4年間だけでも日本円に換算して4億円以上の募金を国内外から集めた上に、韓国政府からも1億円前後の補助金を貰っています。にもかかわらず、正義連は本来の目的である元慰安婦のおばあちゃんたちの支援に寄付金の18%ほどしか使わず、残りの80%以上を私的に流用していた。いわば『反日』を標榜することでお金を集めて、好き放題に利用してきたのです」

 実際、李氏の告発から1週間も経たないうちに、その具体的な中身が明らかになってきた。在韓マスコミは正義連の金銭スキャンダルを、こぞって報じ始めたのだ。その最たるものが、挺対協時代から団体を率いてきた尹美香(ユンミヒャン)前理事長(55)とそのファミリーによる組織の私物化である。

 寄付金の振り込み先が尹前理事長の個人口座だったことなど、不明朗な経理の例は枚挙に遑(いとま)がないが、特に韓国の大手紙「朝鮮日報」が報じたスクープは国民に衝撃を与えた。正義連が元慰安婦の保養施設として購入した「平和と癒やしが出会う家」を巡る疑惑である。

 この施設は、挺対協時代の12年に、団体が指定寄付金を原資に7億5千万ウォン(日本円で約6500万)で購入したものだったが、本来の目的で使われることはなかったというのだ。

 産経新聞ソウル駐在客員論説委員の黒田勝弘氏によれば、

「この建物は、尹前理事長の父親が管理人として一人暮らしをしていて、購入されてから当事者であるおばあちゃんたちはほとんど利用していなかったと報じられています。近所の人の証言では、若い連中が庭で飲み食いをしながら騒いでいることもあったそうです」

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