五輪メダリスト、コロナ禍でウーバー配達員に 自力で遠征費を稼ぐ

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「コロナ」の蔓延によって多くの人の生活が激変したが、中にはこんな珍しいケースも。五輪メダリストはなぜ、ウーバーイーツの配達員を始めたのか。

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「フェンシングをしたい、東京五輪に出たい、遠征に行きたい、という気持ちは本物なので、まずはそれを叶えるところから始めようかな、と。今は練習場も自粛で閉鎖されているので、体力を落とさないように、維持することがすごく大事だと考えて、すぐにやれるウーバーイーツの配達員を始めました」

 そう語るのは、2012年ロンドン五輪のフェンシング男子フルーレ団体の銀メダリスト、三宅諒選手だ。元々、3社のスポンサーに資金面を支えてもらっていたが、東京五輪の開催が危ぶまれていることを理由に契約の更新を自ら保留。遠征費などを自分で稼ぐため、配達員を始めることにした。

「週に3~4日、始めた頃は1日5~6時間働けていたのですが、今はかなり暑くなってきたので、1日に3~4時間くらいです。当初は8件ほど回って5千円くらいでしたが、今はその半分程度。年間の競技費用は300万円ほどかかりますから、ウーバーではとても無理ですよね。だからまずはウーバーを卒業することが目標です」

 練習だけに専念できない悩ましい日々が続く。

週刊新潮 2020年5月28日号掲載

特集「『コロナ』虚飾の王冠」より

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