マスク空売り、ニセ教師…Withコロナ、Afterコロナの「中国犯罪実録」

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 コロナ対策の10万円給付について、警視庁や総務省では「詐欺に気をつけて」と呼びかけている。申請手続きを代行するなどとうたって、費用を要求する悪徳業者がいるのだ。社会が不安定になったときというのは、人々の不安にツケこんだ詐欺や悪質商法が生まれやすい。ウイルスの発生源となった中国では、すでにさまざまな犯罪行為が報道されており、先行事例として紹介したい。

防護服で現れて

 武漢市内の住宅地でその日朝、地元警察に通報があり「同じ団地に住む女性(52歳)と連絡が取れない。ドアをノックしても反応がない。電話をかけても出ず、室内から着信音が聞こえるだけ」と連絡があった。警察官が女性宅のドアを開けたところ、女性はすでに死亡しており、室内にあった財産の一部も奪われていた。

 警察は同日午後、33歳の男を強盗殺人の容疑で逮捕した。防犯カメラに残った映像を調べると、男は団地内のボランティア・スタッフになりすまし、防護服を着用して敷地内に侵入。体温計測のためと偽って室内に入り、女性を殺害した。

 また、中国東北部・黒竜江省にある幼稚園では、先生と保護者たちのグループチャット内に、“ニセ教師”が出現。その人物は、

「コロナウイルス対策のため、政府の教育局から通達がありました。幼稚園の学費は、このQRコードを通じて支払いをお願いします」

「学費を払っていない人は、早く払ってください」

「すでに支払った方も、QRコードから再度お支払いをお願いします。新学期にまとめて返金します」

「支払い画面のスクリーンショットを送って頂ければ、記録に残します」

 などとメッセージを連投し、保護者の一人から2200元(約3万3000円)を騙し取った。送金を終えると”ニセ教師”はグループチャットから退出。他のホンモノの教師からの指摘で、詐欺行為が判明した。

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