「愛子天皇」「女性宮家」否定の民間研究会 皇室問題の重鎮参加で波紋

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旧宮家子孫の皇族身分取得は「現宮家の養子」「女性皇族との婚姻」で

 研究は「提言」に先立ち、基本方針として、(一)日本国憲法第二条の「皇位は、世襲のものであって」と皇室典範第一条の「皇統に属する男系の男子が、これを継承する」の規定は、変えてはならない皇位継承の『基本原則』である。(二)皇室典範及び同特例法により規定している継承順位は変えないことが『基本前提』である――の2点を示した。後者については政府も「皇位継承順位を変更しないで議論する」ことを表明している。

 その上で、先に記したように、「元皇族の男系の男子孫(男の子孫)による皇族身分の取得」と「現宮家の将来的な存続を可能にする皇族間の養子」を可能にする法整備を求めており、前者については、「昭和二十二年に日本国憲法下で皇籍を離脱された旧宮家の元皇族の男系の男子孫(男の子孫)の中から若い適任者が、皇族の身分をあらたに取得されることを可能にする」としている。

 そして、これが想定されるケースとして、【1】現在の後継男子不在の宮家の養子に入り、その宮家を継承する 【2】将来、新宮家を創設したり、また男子がをられない宮家を継承する 【3】現宮家の女性皇族と婚姻して、その家の当主となり、宮家を継承する――の3点を挙げた。

 一方、前後するが、これまでの主な論点については次のような見解を示した。

【1】愛子内親王が天皇となられる皇位継承の可能性
「皇位継承の基本原則および皇位継承順序の基本前提からして想定し得ない」とし、「確定してゐる継承順序を変へることは、大きな混乱を引きおこすもととなる」と否定。但し、愛子内親王が元皇族の男系男子孫と婚姻された場合は、「皇族の身分を取得した皇族男子の妃として、皇族の地位にとどまられることは検討され得よう」と付言した。なお、将来、即位された悠仁親王に男子が誕生されなかった場合に、愛子内親王が皇位を継承されることについては、「悠仁親王殿下より五歳年長であることなどを勘考すると、現実的に想定しがたい」としている。

【2】女性天皇(男系)の可否
 想定される対象者は「悠仁親王殿下が将来結婚され、男子がをられない場合の内親王」であるとし、男系の女性天皇が歴史上存在したことから「例外として可能性を検討する余地はありうる」とした。しかし、「男系男子の皇位継承者を確保すれば、その必要性は無くなる」として、事実上の否定となっている。

【3】女系天皇の可否
「皇統史上全く存在せず、かつ皇位継承の基本原則を逸脱し、認めがたい」と明確に否定。

【4】女性宮家創設の可否
 女性宮家とは、皇族以外の男性との婚姻後も皇族の身分を保持して当主となることであって「皇室史上前例がない」とした上で、「皇統以外の夫や子が皇族となる、あるいはその可能性があることなど、さまざまな問題点を勘考すると認めがたい」と明確に否定した。

【5】女性皇族の婚姻による皇籍離脱後の活動
「なんらかの称号を冠し、準皇族的立場で、皇室の諸活動の安定的な維持のために従事されることが可能となる方策は、別途、必要な検討事項となり得る」と前向きな見解を示した。

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