コロナ禍での希望の光  「思いのほか低い致死率」「梅雨」「年内ワクチン」

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ピークはすでに過ぎている!? カリフォルニア州「抗体検査」で分かった本当の「致死率」 年内ワクチン完成なら「悲観論」は吹き飛ぶ

 感染は今後も拡大し続けると、だれもが疑っていない感がある。しかし、すでにピークを越えている可能性があれば、致死率が思いのほか低い可能性も。さらには、雨でウイルスが弱体化する可能性もあるのだ。

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 日本でも広げていく旨を、加藤勝信厚労相が表明した抗体検査。少量の血液を採取し、ウイルスに感染すると体内に作られる抗体の有無をみるものだが、アメリカでは、驚くべき結果がもたらされている。

「スタンフォード大などの研究チームが今月3日と4日、カリフォルニア州サンタクララ郡の住人3300人を対象に抗体検査をしたところ、予想をはるかに上回る人が抗体をもっていました。郡の人口は200万人ほどで、PCR検査で判明した1日時点の感染者数は956人でしたが、実際は、4万8千~8万1千人がすでに感染していると推計された。無症状だった人が多く、実際の感染者数は、公式の数字の50~80倍におよぶ可能性があるというのです」(在米ジャーナリスト)

 ほかにも、シカゴの病院では、検査を受けた人の30~50%が抗体をもっていたといい、ドイツやオランダでも、ランダムに抽出した住人の血液を調べたところ、数人に1人に抗体があったと報告されている。

 サンタクララの例について、医療ガバナンス研究所の上昌広理事長は、

「クルーズ船の事例からも、無症状の人が多いので、そのくらいの数字になるだろうな、という感想です」

 と言い、「日本にも当てはまる」と、こう続ける。

「東アジアのほかの国々ではとっくにピークアウトしているのに、いま日本で感染者が増えているのは、PCR検査の数が増えているから。私は韓国や台湾がピークだった2~3月、日本もピークに達していたとみています。その証拠に、国立感染症研究所の『インフルエンザ関連死亡迅速把握システムによる2019/20シーズン21大都市インフルエンザ・肺炎死亡報告』によれば、2~3月にかけて東京では、毎週100人以上が亡くなっていたことが挙げられます」

 このうち多くがコロナによるものだとすれば、無症状または軽症のまま治癒した人が、少なからずいるはずだというのだ。また、新型コロナウイルスが怖いとされる理由の一つに、致死率の高さがあるが、

「サンタクララのデータが本当であれば、感染者の数、つまり致死率の分母は、かなり大きくなる。そうなれば、致死率がインフルエンザ並みに低くなる可能性もあると思います」

 と、浜松医療センター院長補佐の矢野邦夫氏も期待するのである。

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