【コロナ禍】東京「新大久保」でマスクが大量に売られているワケ…ただし今だけ?
新型コロナ対策で配布される「アベノマスク」こと、2枚の布マスクが、そろそろあなたの自宅にも届くはずだ。が、これに先立ち妊婦に配られていた布マスクに、髪の毛混入などの不備があったと報じられている。となると、やはり頼れるのは使い捨ての「不織布マスク」……? あるところにはあるのに、近所では売っていない。そんなマスク事情に流通アナリストの渡辺広明氏が迫った。
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前回「コロナで続くトイレットペーパー品薄 試される民度…買い占め不要を数字で読み解く」記事で紹介したのは、トイレットペーパーの「供給量」は「消費量」に対して十二分にあり、だから買い占めは不要という話でした。今回は不織布マスク(以下、マスク)についてですが、こちらは“デマ”がきっかけで始まったトイレットペーパー不足と違い、実際に消費量が世界的に増えているため、品薄は続くでしょう。
コロナウイルスの拡大前、アジア以外の国々では、一般の人はよほどの病気のとき以外、マスクを着ける習慣がなかったといいます。それが一転、世界人口77億人がマスクを求める環境となってしまった。世界のマスクの約半分が中国で作られていると言われますが、供給量は1日当たり約2億枚だそう。となると、世界中にマスクが十分に行きわたることは考えにくいわけです。
こうした需要拡大により、中国では今、原材料である不織布「メルトブロー」の値段が高騰しています。中国の通信社CNSが報じたところによれば〈医療用マスクの「心臓」といわれるメルトブロー式不織布の価格は10倍以上に跳ね上がった〉(3月27日)とのこと。マスクを中国に頼る日本も、この影響をもろに受けています。
コロナ前に1枚あたり売価10円ほどだった中国製のマスクは、品質にもよりますが、いまや80~100円で売らなければもとがとれなくなっている。1箱50枚入りとすれば、4000~5000円ほどにもなります。3月末にスーパーマーケットチェーンの「イズミヤ」が、50枚入りマスクを税抜き3980円で販売し、「高すぎる」とネットで炎上していました。税込み価格でいえば4378円。メディアの取材に“原材料が高騰したため”とイズミヤの広報は説明していましたが、実際、仕方のない話でもあるわけです。けれども“便乗商法”と批判されることを恐れ、小売店は、高い価格でマスクを販売することができなくなってしまっています。
ところが――東京・新大久保の韓流ショップには、ひと箱3500円前後で売っているところがちらほらあるのです。なぜなのでしょうか。
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