マスク難民に朗報! 口呼吸を防ぐ新型コロナ対策「あいうべ体操」

国内 社会 2020年3月6日掲載

  • ブックマーク

 全国的に新型コロナウイルスに引き起こされる感染症が広がり続けている。大規模イベントの中止が相次ぎ、政府は全国の公立の小中学校、高校、特別支援学校を臨時休校するように要請を出したが、一向に終息の兆しが見えない。官邸が呼びかけている感染対策でも触れられているように、一般的な感染症対策が効くと考えられているが、感染者数の増加が報道されるたびに不安が大きくなっている現在、マスク着用・手洗い・消毒以外に、新型コロナウイルスから身を守るために何か効果的な方法はないのだろうか。

 ここで注目すべきは、本来なら感染のピークを迎えているはずのインフルエンザ。新型コロナウイルスの感染拡大の中、国内のインフルエンザ患者が大きく減っているのだ。昨シーズンに比べ、患者数が400万人減ったというデータもある。これは二つのウイルス感染症の感染経路(飛沫感染と接触感染)が共通するために、徹底した新型コロナウイルス対策がそのままインフルエンザ対策につながっているからだと推測される。

インフル予防「あいうべ体操」は新型コロナにも効果あり

「逆に、感染経路が同じ、感染力も同程度といわれるインフルエンザの予防法であれば、新型コロナウイルスにも十分効果があると考えています」。こう語るのは、福岡県で医療クリニックを開業する今井一彰医師。今井氏は、口のまわりの筋肉を動かす体操で、自身が健康指導する小学校のインフルエンザ罹患率を大幅に下げることに成功した、いわば「インフルエンザ予防のエキスパート」である。

 著書『鼻呼吸なら薬はいらない』でも紹介している「あいうべ体操」を複数の小学校で試験的に導入したところ、インフルエンザに罹る児童が激減。導入前は40パーセント近かった罹患率が、5パーセント以下になったケースもある。今井氏の協力の下、養護教諭を中心に「あいうべ体操」を実践した小学校は、インフルエンザによる学級閉鎖がほとんどなくなったという。

 今井氏によれば「罹患率が急激に下がったのは、口周りの筋肉を鍛える体操によって、もともと口呼吸だった児童が鼻呼吸に転換したから」なのだという。

口呼吸は感染症の元

 そもそも、感染症と呼吸にはどんな因果関係があるのだろうか?

 今井氏によれば、「口呼吸の習慣がつくと、細菌、ウイルス、アレルゲンなどの異物がそのまま取り込まれてしまう。さらに、そうした異物と一緒に乾いた冷たい空気が直接身体に入り、口腔やのどが乾燥して、免疫力まで落ちる」という。一方、鼻呼吸なら、フィルターである鼻毛や鼻水などが異物をある程度ブロックし、空気そのものは副鼻腔で温められるため、結果として感染リスクが減るのだ。口呼吸でなくなれば、口をぽかんと開ける癖もなくなる。

「口呼吸を鼻呼吸に変えるためには、あいうべ体操が効果的です。口や舌を支える筋肉の力を回復させることで、鼻呼吸が習慣になり、普段からしっかり口が閉じられていれば、感染症に罹る可能性はおのずと低くなるのです」。

「あー」「いー」「うー」「べー」で、いびきや喘息まで改善

 今井氏が指導している小学校では、クラス全員が「あー」「いー」「うー」「べー」と大きく口を動かし、舌を出す運動を続けている。同校では、インフルエンザの罹患率が下がっただけでなく、「明らかに風邪をひく児童が減り、しかも一緒に体操を続けている保護者の方から『いびきが止まった』『喘息が良くなった』という声が届いた」(今井氏)。

 マスクが品薄で手に入りづらい現在、手洗い・消毒以外の新型コロナウイルス対策として、今日から「あいうべ体操」を始めてはいかがだろうか。

デイリー新潮編集部