楽天市場から強制退店させられた「楽天ユニオン」委員長 本人は「今後も委員長は続けます」

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 送料無料化のサービスをめぐり、出店者たちによる団体「楽天ユニオン」と楽天は、激しい攻防を繰り広げてきた。結果、楽天は一律での無料化を断念。ユニオン側が“一矢報いた”格好だったが、楽天も黙ってはいなかった?ジャーナリストの角田裕育氏が取材した。

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 楽天ユニオンの委員長・勝又勇輝氏は、これまで団体の“顔”としてメディアの取材に応じてきた。いってしまえば、楽天にとっては目の上のたんこぶのような存在であろうが、そんな勝又氏が運営するテナント「株式会社サンシャイン」は、4月10日付けで、楽天市場から強制退店させられてしまったのだ。

 その理由は、店舗管理に使う楽天の管理システムに入るためのIDを、勝又氏が日経新聞の記者に教えたためという。すでに『週刊ポスト』4月10日号も報じているが、一歩間違えれば、利用者の個人情報などが流出する恐れがあった。楽天の処分も当然ということか。

 もっとも勝又氏によれば、楽天の規約を記者が見たがったため、IDを教えてしまったという。改めて本人に聞けば、

「日経の記者に教えたのは事実で、それを理由に退店となりました」

 と言うものの、納得はいっていない様子だ。

「ですが、弁護士に相談したら、IDを教えたこと自体は違法ではないというんです。まあ正直、いま自分は楽天よりYahoo! などへの出店を進めているので、強制退店はどうでもいい。楽天ユニオン委員長は今後も続けていくつもりです……」

 代わって楽天ユニオン顧問弁護士の川上資人氏が、次のように語る。

「楽天とテナントとの契約書の中にIDを他人に教えてはならないという規約があるため、そこは勝又氏の違反があったことに関して言い訳できません。退店処分も規約にあり、不当とは言えないのですが……」

 と、勝又氏の不手際を認めるのだが、

「今回の措置は、テナント事業者が声をあげようとする行為への威嚇を狙ったものです。これが労働組合ならば、法で認められた『不当労働行為』で不当解雇だと地方労働委員会に救済を求めることができますが、楽天ユニオンはあくまで中小企業団体で、いわゆる労組ではない。法の適応ができません。下請け業者を法的に保護する法律がない現状を、浮き彫りにした出来事だと思います」

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