ピンハネ「レスリング協会副会長」続報 被害選手に“喋るな”の脅迫

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 本誌(「週刊新潮」)が3月19日号で報じた、レスリング協会の高田裕司副会長(66)の強化費ピンハネ問題。マットの外で、人知れず“延長戦”が続いていたのである。(以下は「週刊新潮」2020年3月26日号掲載時点の情報です)

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 今回お届けする戦いが繰り広げられたのは、本誌3月19日号発売前日の3月11日。

「会社も大学も俺側につくから、ハチの巣にされたら、お前、今後どうすんだ?」

 ハチの巣に、の部分が「八つ裂きに」のバージョンもある。そんな台詞を、レスリングの金メダリストである高田裕司が言い放ったのだ。

 ピンハネ問題を簡単にまとめておこう。被害者は、東京五輪の代表候補だった藤波勇飛(ゆうひ)選手(23)。彼は昨春まで、山梨学院大学レスリング部に在籍。特待生の彼には学校から強化費月10万円が支給される。だが、実際はそのうち4万円を高田監督が“預かり”、監督から6万円が手渡されていた。

 藤波選手名義の銀行通帳などは監督が手元に置き、卒業後も預けたはずの金は戻ってこなかったのである。強化費からトレーナーを雇う費用を除けば、4年分で約130万円が使途不明。しかも藤波選手が口座を調べると数十万円が複数回引き出され、残高はほぼゼロとなっていた。卒業後に藤波選手が訊ねると、監督は「通帳はない」「カネもない」の一点張り。すったもんだの末にようやく150万円が返還され――。この一件を証言した藤波選手が、またしても被害者となったのだ。

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