大塚家具、訴訟合戦の末に銀座本店を移転 そこで問われる久美子社長の経営センス

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銀座店はいらない

《賃料減額確認等請求訴訟の和解に伴い、解決金受領等により2億85百万円を特別利益として計上いたします。/訴訟及び和解の具体的内容については、和解条項に守秘義務条項が含まれているため、詳細の公表は差し控えさせていただきます。》(2月27日付「特別利益の計上に関するお知らせ」より)

 これが、三井との訴訟の結果なのだろうか。不動産鑑定士の降矢等氏に聞いた。

「詳細が発表されていないので、なんとも言えません。仮に三井不動産との訴訟であるなら、これほど多額の賃料を巡る訴訟が、2年足らずで和解となるのは非常に早いですね。10年以上かかるケースもありますから。争いがあまり長引いても、お互いに不利益が生じるということで和解になったのかもしれません。三井側とすれば、今年は賃貸契約が満了する10年目。大家としては、値下げを要求するくらいなら出て行ってほしい、ということでしょう」

 前出の事情通は、

「大塚家具が他に訴訟を抱えているとは聞きませんからねえ。ともあれ、月に9600万円も支払っていた家賃がなくなるのは、赤字減らしには役立つはずです。銀座本店はすでに1階から7階までしか大塚家具として機能していませんでしたし、先月などフロアをユーチューバーの撮影場所として開放するなんてこともやっていました。残念ながらその作品は、まだ上げられていないようですが、これじゃ、家具店とは言えない。問題は、規模を縮小するとはいえ、引っ越し先の家賃がどの程度になるかですね」

 売り場面積は10分の1程度になるというが、場所は銀座7丁目だから、ど真ん中とは言わないものの、中央通り沿いになるという。

「どうしても銀座に残りたいのでしょう。訴訟では、“経営戦略上、銀座で店舗営業をすることが必要”と訴えていたそうですが、中価格路線を打ち出した今の大塚家具には銀座店は不要だと思います。創業地である春日部店はじめ店舗の閉鎖縮小を進めてきた大塚家具は、昨年は東北唯一の直営店だった仙台ショールームも閉館しました。こういう状況で、銀座店が本当に必要でしょうか。移転によって認知度と利便性を高めるとのことですが、大塚家具の認知度はもう十分ではないでしょうか。イメージを良くしたいということなら、これまでの経営責任を取って、久美子社長が辞めるのが先でしょう。すでに4期連続で赤字となることが決定的な同社ですが、JASDAQでは5期連続なら上場廃止となる。潔く都落ちして、少しでも赤字を減らす努力をすべきです」(同・事情通)

週刊新潮WEB取材班

2020年4月13日掲載

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