大塚家具、訴訟合戦の末に銀座本店を移転 そこで問われる久美子社長の経営センス

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 2月に発表した第4四半期決算で、56億5000万円もの大赤字であることを発表した大塚家具。今度は銀座本店を5月末で閉店し、6月中に場所を移して再開するという。移転後の規模は縮小するが、目抜き通りに出店することで、認知度を高めるという。実を言うと銀座本店は、家賃をめぐり裁判沙汰になっていた。

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 週刊新潮(18年7月19日号)では、「“都落ち”寸前の“かぐや姫”… 『大塚家具』が家賃めぐり訴訟沙汰」のタイトルで、銀座本店の家賃訴訟を報じている。

 デイリー新潮でも読めるので、詳細はそちらに譲るが、簡単に説明しよう。

 18年3月、大塚家具は銀座本店の貸主である三井不動産を相手に、月額9600万円の家賃を7600万円に値下げするよう確認訴訟を起こしたのだ。家賃が9600万円とは、さすが銀座価格だが、対する三井不動産は1億320万円への値上げを求めて反訴。訴訟合戦となったのだ。事情通が言う。

「大塚家具が銀座に出店するため、三井不動産と基本協定書を結んだのは、まだビル建設前の08年7月でした。当時の大塚家具は、久美子社長(52)の父で創業者の勝久氏(76)が社長でした。高級家具がメインでしたから、銀座がふさわしいと考えたのでしょう。地下2階地上10階建てのビルを、三井は1階から6階までを貸す予定だったと聞きます。しかし、大塚側から地上の全10フロアを借りたいと提案され、賃貸とはいえオーダーメードで建てられました。しかし、2年後、完成したビルの引き渡しが迫ると、状況は一変していたんです」

 09年3月、勝久氏は会長となり、久美子氏が社長に就任した。さらにリーマン・ショックにより景気は一気に冷え込んだ。

「久美子社長は契約の見直しを要求し、家賃引き下げ訴えたそうです。三井側もこれに折れ、最初の半年を2割引にし、20年契約だった解約禁止期間を10年として契約した。その後も大塚側は値下げを要求したそうですが、受け入れられず、訴訟に発展したのです」(同)

 この訴訟がどうなったのか、正式な発表はない。ただ、今年2月に大塚家具は、気になる“お知らせ”を出していた。

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