結婚で日ハム「斎藤佑樹」は復活できるか プロ野球選手の妻に求められる“意外な条件”

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 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で開幕が延期されているプロ野球だが、昨シーズン終了後に数多くの選手が結婚を発表している。広島の4番、鈴木誠也は新体操元日本代表でタレントの畠山愛理、西武・源田壮亮は元乃木坂の須藤美彩、楽天・浅村栄斗はタレントの淡輪ゆきとそれぞれゴールイン。そして、かつての甲子園のヒーロー、日本ハム・斎藤佑樹も昨年末、一般女性との結婚を発表している。

 かつて、プロ野球選手の結婚相手といえば、テレビ局のアナウンサーやキャスターとほとんど相場が決まっていた。イチローや元木大介、古田敦也、石井一久らのOB連、そして、現役の松坂大輔などと名前を挙げればきりがなく、その都度、テレビのワイドショーを大いに賑わせていたものだった。しかし、プロ入り前の学生時代から付き合っていた一般の女性と結婚するというケースも以前に比べて増えてきている。

 ともあれ、結婚は人生の大きな転機。それはプロ野球選手とて同様だろう。では、はたして結婚はその後どんな影響を選手に与えるのか、ロッテ、中日、巨人で活躍した野球評論家の前田幸長さんに聞いてみた。

「もちろん人にもよるとは思いますが、ほとんどの選手にとって結婚は間違いなくプラスになるでしょうね。マイナスになる要素は見当たりません。何しろ、よくいわれることではありますが、それまでの独り身とは違って男として背負うものができるわけです。誰だって今まで以上に頑張らなくちゃダメだ、女房を路頭に迷わすわけにはいかないという思いが強くなりますからね。故障さえしなければ、成績だって自然と上がるはずですよ」

 たしかに、最近の例を見ても、巨人・田口麗斗は成績を大きく伸ばした選手のひとりだ。2017年1月に高校時代の2年先輩の女性と結婚した田口は、前年の10勝10敗から17年シーズンは13勝4敗とブレイクを果たした。少し前にはなるが、プロ入り3年目の07年にタレント・サエコ(現在は紗栄子)と結婚したダルビッシュ有(当時・日本ハム)は、06年シーズンの12勝5敗、防御率2.89だったが、07年シーズンは15勝5敗、防御率1.82とジャンプアップ、シーズンMVP、沢村賞、奪三振王などを獲得している。

 その一方で、成績を大きく落とした選手もいる。それは楽天の涌井秀章だ。ロッテ時代の16年11月に押切もえとの結婚を発表して芸能マスコミを大いに賑わせたが、その成績は大きく下降してしまう。16年シーズンは10勝7敗、防御率3.01だったが、17年は5勝11敗、防御率3.99と大きくダウン。その結果、妻の押切もえがファンにバッシングをされたこともあった。

 ちなみに、厚生労働省が19年6月に発表した人口動態統計によると、男性の初婚年齢は31.1歳で、年々“晩婚化”の傾向が強くなってきている。これに対して、プロ野球選手は総じて早婚だ。高校や大学を出てプロ入りし、数年のうちに結婚する選手も少なくない。前出の前田さんも高校時代の同級生と結婚したのは21歳の時だったというから、今の時代からすればかなりの早婚だ。

「プロ野球選手は若くして1軍で活躍するようになると、同年代のサラリーマンと比べものにならないそれなりの大金を得ることになるわけですよ。そうすると、いろいろな人からチヤホヤされて、中には調子に乗って遊び呆けてしまい野球に身が入らなくなる選手も出てきます。すごい素質を持っていながら、結局そうやってダメになっていった選手を僕は何人も見てきたことやら。そんなことにならないためにも早いうちに結婚し、家計面も含めて奥さんにしっかり管理してもらうようにしたほうがいいと思いますよ。それでなくても、プロに入ってくるような選手は、僕自身もそうでしたが、小さな頃から野球ばっかりで世間に疎く性格的にも子供っぽいところがあります。だからこそ早く結婚して、落ち着いて野球に集中できるようにしたほうがいいんです」

 ヤンキースで活躍しているマー君こと田中将大の奥さんはタレントの里田まいだ。マー君が里田との結婚を発表した際、一部の野球記者の間から「大丈夫なのか、彼女に野球選手の奥さんが務まるのか」との声が挙がったそうだ。それは里田が「おバカキャラ」を売りにしていたことを見て、何もできないのではないかとの単純な考えだったのかもしれないが、今や田中夫人としての里田の評判はすこぶる良く、その「賢夫人」ぶりは誰もが認めるところ。マー君がメジャーで活躍できるのも彼女の「内助の功」が大きいという声すらあるほどだ。まさにプロ野球選手としての夫を生かすも殺すも奥さん次第だといえるが、野球選手の奥さんに求められる条件とは何なのか。

「いろいろとあるでしょうが、僕は野球を知らないことが一番なのではないかと思いますね。うちのカミさんも野球を全く知らない人だったので、現役時代に家で野球の話をすることは一切ありませんでした。僕は家に帰ってきたら野球のことは忘れてリラックスしたかったので、これにはとても助かりましたね。それと、プロの選手は一般の人に比べて年上の奥さんをもらうケースが多いような感じがします。たしかにイチローやマー君もそうだったはずですが、しっかりした年上の女性にリードしてもらい、家庭を守ってもらうのもいいと思いますよ。僕のカミさんは同じ歳でしたが、若い頃、やんちゃをした僕にしっかりとブレーキをかけてくれたのはカミさんでした。僕が何とか長年プロでやれたのもカミさんのおかげ。今でも感謝しています」(前出の前田さん)

 今後、新婚選手がどんな活躍を見せてくれるのか……特に、2年連続で0勝に終わり、崖っぷちに立たされている斎藤佑樹が結婚をキッカケに復活できるのか、注目である。

清水一利(しみず・かずとし)
1955年生まれ。フリーライター。PR会社勤務を経て、編集プロダクションを主宰。著書に「『東北のハワイ』は、なぜV字回復したのか スパリゾートハワイアンズの奇跡」(集英社新書)「SOS!500人を救え!~3.11石巻市立病院の5日間」(三一書房)など。

週刊新潮WEB取材班編集

2020年4月13日掲載

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